CG合成などの最新技術も多用しつつ、現地の雰囲気をうまく映画に活かしている/[c]Marvel Studios 2018

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『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)でマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)初登場を果たした漆黒のヒーロー“ブラックパンサー”。彼の単独作であり、全米で爆発的な大ヒットを記録、一大旋風を巻き起こしている待望のマーベル・スタジオ最新作『ブラックパンサー』が日本でも公開!

ティ・チャラの妹シュリが遠隔操作するレクサスに飛び乗り、敵を追走するブラックパンサー/[c]Marvel Studios 2018

アフリカの超文明国家ワカンダの王であり、“ブラックパンサー”として国家と国の秘密を守るための戦いに身を投じる主人公ティ・チャラを描いた本作。語り尽くせぬほどの多くの見どころがあるが、特に注目してほしいのが、スピーディーかつド派手な夜のカーチェイスだ。

アンディ・サーキス演じる武器商人ユリシーズ・クロウ一味を捕らえるため、レクサスLC500の屋根に乗って追走するブラックパンサー。驚異的な身体能力で車から車へ飛び乗り、敵を追い詰めていく姿は最高にクールだ。一連のシーンは韓国・釜山が舞台となっており、昨年3月に釜山でロケを敢行。交通量の多い幹線道路や繁華街のど真ん中を封鎖し、車の激突、横転など激しいアクションを撮り上げた。

今回、そんな撮影が行われた釜山を訪問。実際にどのような場所でロケが実施されたのか“聖地巡礼”してきたので、ご紹介しよう。

■ チャガルチ市場

釜山は港町。韓国最大の規模を誇る海産市場が、チャガルチ市場だ。釜山駅からほど近い南浦洞(ナンポドン)にあり、新鮮な海の幸を味わえることで人気の観光スポットとなっているこの場所でも『ブラックパンサー』のロケは行われた。

劇中では、希少鉱石ヴィブラニウム製の武器が盗まれ、このチャガルチ市場にある怪しい裏カジノで取引が行われるという設定になっている。露店に海産物がずらりと並び、観光客で賑わう市場の片隅に別世界のような裏カジノがある…なんとも心躍る設定ではないだろうか。

このチャガルチ市場では、裏通りのような細い路地も撮影に使われ、ブラックパンサーを車の屋根に載せたまま爆走するシーンなどが収められた。実際にロケ地に訪れてみると、路地の狭さにこんな場所で撮影をしたのかと驚かされるはずだ。

■ 広安大橋、広安里ビーチ

“ダイヤモンドブリッジ”の愛称で親しまれている釜山のランドマーク、広安(クァンアン)大橋。総延長7420メートルのこの自動車専用橋で、予告編でも印象的なシーンの一つである、ブラックパンサーが敵の自動車を吹き飛ばすシーンが撮影された。

広安大橋は夜になると艶めかしい紫色にライトアップされ、浜辺から眺めるとムードたっぷり。本作のブラックパンサーのヴィブラニウム製スーツはパープルに光るため、舞台としてぴったり。交通量はかなり多い橋だが、この撮影のために2日間にわたり、夜9時頃から明け方まで完全封鎖したという。関係各所が一体となって撮影をバックアップしたからこそできたシーンなのだ。

そして、美しい夜景とライトアップされた広安大橋が望める広安里ビーチ付近は、リゾート感満点の観光スポット。ここのビーチ沿いの道路でも撮影が行われた。撮影時、周囲には想定を上回る大勢の見物人が集まってしまい、大変な事態になったそう。

■ 東莱区・社稷北路

韓国プロ野球のチーム、ロッテ・ジャイアンツの本拠地である社稷(サジク)野球場から北に250mほど歩いたところにある交差点。ここではブラックパンサーが、敵の放ったエネルギー波をジャンプで避け、ビルの壁を横走するシーンが撮影された。撮影時には周辺に提灯が吊り下げられ、より異国情緒が出るように演出された。

一見すると医療系のテナントが入った普通の雑居ビルにしか見えないが、予告編でもばっちり確認できる、ブラックパンサーが“走った”ビルも現存しており、映画を観た人なら興奮必至のスポットだろう。もともと社稷北路ではない別の場所がロケ地候補だったが、工事の都合などによりこの場所で撮影をすることになった。だが結果として、ハングルのネオンが浮かぶこの場所の景色に撮影クルーも満足げだったようだ。

■ 坂道

釜山は坂道が多い。どの坂道もめったにお目にかかれないほどの急勾配で、しかも曲がりくねっている。坂道の途中でUターンなどしようものなら、横転するんじゃないかと心配になってしまうほどだ。しかし、この“ありえない坂道”こそがチェイスシーンに非常に映える。『ブラックパンサー』では、沙上区にある東西大学校の前の坂道や、影島区ワチロの三叉路の坂道などで撮影が行われた。

アップダウンが激しく、普通に車で走行していても跳ね上がりかける道路だが、実際にはジャンプ台も使って、より車が跳ねるようにしていたという。この起伏によって、国王に忠誠を尽くす屈強な女戦士オコエが、車の上に立って槍を投げる場面など迫力あるシーンが生み出された。辿り着くのが困難な場所ではあるが、眺望もよく、一見の価値はあるだろう。

■ 日本からも近くてオススメ

そのほか、映画では海雲台区のカジョン橋、影島区のヨンソン大路などでも撮影が行われている。ほとんどのカットが繋げられ、一続きのシーンにはなっているものの、場所は思っていたよりもバラバラだ。どのロケ地もこだわりを貫いて選び抜かれた地であることがよく伝わってきた。

また、釜山といえば、毎年10月に開催される釜山国際映画祭でも有名な“映画の街”。メイン会場の海雲台(ヘウンデ)周辺や南浦洞にあるBIFF広場などには、映画にちなんだモニュメントもあるので、映画好きにはたまらない街だ。日本からも気軽に訪れる近さ。『ブラックパンサー』を劇場で楽しんだ後は、釜山旅行ついでにロケ地巡りをしてみてはいかが?

取材支援:韓国観光公社(Movie Walker・取材・文/編集部)