バッグから男児の遺体が。当時17歳の母親に懲役16年(画像は『New York Post 2018年2月22日付「Woman found carrying her dead baby in bag gets 16 years in prison」(David McGlynn)』のスクリーンショット)

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出産した男児を窒息死させ、何事もなかったかのように有名下着店をうろついていた当時17歳の女は、店の商品を万引きしたことがきっかけで、バッグに入れていた男児の遺体を発見された。このほどその裁判が米ニューヨークで行われ、女には殺人罪で16年の懲役刑が科せられた。『New York Post』『Mirror』『The Sun』などが伝えている。

ティオナ・ロドリゲス(21歳)は2013年、ニューヨークのクイーンズ区にある友人宅の浴室で8ポンド(約3,630g)の男児を出産した。17歳だったティオナはその後、自分のバッグに他のものと一緒に男児を詰め込み、マンハッタンにある有名下着店「ヴィクトリアズ・シークレット」に向かう。そこで44.50ドル(約4,700円)相当のスキニージーンズ2着を万引きした。

ティオナのバッグを調べた店の警備員は男児の遺体を発見したが、バッグからは悪臭が漂っていたという。ティオナは男児への第一級過失致死罪で逮捕・起訴されたが、万引きに対する起訴は後に取り下げられたようだ。

今年1月、生まれた時に男児は生きていたという事実を渋々認めていたティオナ。後の検察官の調べで、Facebookで友人宛てに「これ(男児)をどっかに持ってって、穴でも掘って埋めてやるわ(笑)。それが済んだらパンケーキを食べに行こうよ」と、罪悪感の欠片もない男児への冷酷な対応が綴られたメッセージを送っていたことが明らかになり、罪状が過失致死罪から殺人罪に切り替わった。本来ならば終身刑が科せられるところであったが、2月22日にマンハッタン最高裁判所で行われた裁判では自らの罪を認めたことにより、懲役16年と釈放後5年間の監視付きという判決が下された。

ティオナの弁護を務めたジュリー・レンデルマン弁護士は、「周りの人は被告を冷酷極まりない人間のように思うでしょう。しかしこの若い被告には、この信じられない残酷な出来事を犯してしまった瞬間よりも、まだまだ多くの知られざる人生があるのです。被告は大きな圧力や無能さを感じており、極度の情緒障がいを抱えていると思われます」と話した。

さらにジュリー弁護士は、窒息死した男児はティオナにとって3人目の子供であったことを明かした。ティオナが1人目の息子を出産したのは14歳の時で、その男児は父親である男性のもとで育てられているという。ティオナの家族はティオナが産気づくまで妊娠に全く気付いていなかったようだ。また、ティオナは2012年に2人目の子を浴室で出産したようだが、当時のボーイフレンドに「死んだ」とだけメールを送っており、果たして子供が死産であったのかティオナによって殺害されたのかは定かではない。

判決前、トーマス・ファーバー判事から「何か言いたいことがあるか」と尋ねられたティオナは首を横に振るのみで、反省や後悔の言葉を発することはなかった。トーマス判事は「残酷で非常に悲しい事件」と述べ、クロエ・ケンダル検事は「この判決が人生を全うすることができなかった男児への正しい制裁であることを願う」と語った。

なお男児が窒息死する前に、どのぐらいの間生存していたかについては現時点で明らかになっていない。生まれてきたかけがえのない命を奪った母親への懲役16年という判決は、果たして正当と言えるのだろうか。このニュースを知った人からは、「なんて酷いの。赤ちゃんがあまりにもかわいそう」「子供を殺したんだから一生刑務所に入れるぐらいの罪を与えるべきだ」「避妊していればこんなことにはならないはず」「この女、絶対におかしい。精神的な助けが必要。よくもこんな残酷なことができるな」「懲役16年でも早く仮釈放になる可能性もあるわけでしょ。信じられない」といった非難の声が相次いでいる。

画像は『New York Post 2018年2月22日付「Woman found carrying her dead baby in bag gets 16 years in prison」(David McGlynn)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)