隣の奥さんを飲んできたが、癖もなく飲みやすかった――。いきなり週刊誌に載りそうなことを独白したわけではなく、「となりのおくさん」という麦焼酎の話だ。

都内の某所で見かけた記者も味わってみたが、「となりのおくさん」という言葉からイメージする雰囲気に反してスッキリとした味わい。焼酎は匂いや癖が......、という人でもすんなり飲めそうだった。しかし、インパクトがあるネーミングの割に、酒店などでは見かけないような気もする。


公式サイトもどこか意味ありげな雰囲気(「となりのおくさん」公式サイトより)

業務用として飲食店のみに販売

酒店では見かけない「となりのおくさん」だが、ツイッターやInstagramなどのSNS上では多数の写真が投稿されているのを目にすることができる。名前やデザイン性が高いラベルは、一般的な焼酎に比べるとSNS映えもしそうだ。

記者はというと、3軒目だったということもあり、名前に惹かれて飲むまではできたものの、写真を撮るというところまで頭が働かなかったのが悔やまれる。


「#となりのおくさん」にも写真がズラリ(Instagram「#となりのおくさん」検索結果より)

謎の多いこの「となりのおくさん」。製造元となっている酒造メーカーは宮崎県の神楽酒造だ。神楽酒造の名前を聞いたことがないという人でも、黒い馬が描かれたラベルの麦焼酎「ひむかのくろうま」の蒸留元と聞けば、思い当たるだろう。

どちらかといえば質実剛健なイメージもある神楽酒造で、なぜ「となりのおくさん」なのか。Jタウンネットが取材をしたところ、次のように話してくれた。

「『となりのおくさん』の企画やコンセプトは、都内のアパレル企業からご提案があったものです。オーナーが焼酎好きの方で、『自分が名前をつけるならこんな焼酎がいい』と決められたお名前だとうかがっています」

焼酎は酒類になるので製造や販売には免許が必要となるため、アパレル企業で勝手に蒸留するわけにはいかない。そこで、コンセプトやラベルデザイン、販促はアパレル企業、製造販売は神楽酒造という形で誕生したのが「となりのおくさん」だったというわけだ。

大事にブランドを育てていきたいというオーナーの意向から、量販店などでは販売せず業務用として飲食店などに販売されており、生産数も多くはない。それでも口コミで話題となり、2017年4月に発売してから、現在では都内でも2000店舗ほどで取り扱いがあるという。

「名前は『となりのおくさん』と攻めたネーミングですが、焼酎にしては癖もなく飲みやすい味に仕上げており、初めて飲まれる方や焼酎を飲みなれていない方でもすんなり飲んでいただけると思います。名前と味わいのギャップを楽しんでいただける一品だと自負していいます」

その後、「焼酎と言えば芋も欠かせない」ということから、「さつま無双」などの芋焼酎で知られるさつま無双(鹿児島)も参加し、「いまかの」「もとかの」という芋焼酎も加わっている。現在もさまざまな企画を考えており、「となおく」シリーズとして、業務用にこだわらない展開もあるかもしれないという。

「となりのおくさん」に加えて「いまかの」「もとかの」も飲んでしまう。字面はなかなか危険だが、味わいは絶品だった。妻帯者の男性は、「家の奥さん」に怒られない程度に飲んでみてはどうだろうか。