2月25日に行なわれるGII中山記念(中山・芝1800m)は、マイル戦を主戦場にする馬、2000m前後の中距離戦を得意とする馬、どちらも参戦してくるため、ハイレベルかつ濃厚なメンバー構成になりやすい。

 今年もそんな趣(おもむき)になりそうだが、そうした舞台にあっても”荒れる”ことがあるのが、競馬の面白いところだろう。

 2010年には、不良馬場の影響もあったかもしれないが、13番人気のトーセンクラウンが1着、12番人気のテイエムアンコールが2着に入って、大波乱となった。馬連は1万8080円の万馬券となって、3連単も53万4940円という高配当をつけた。

 その他、7、8番人気の穴馬が馬券圏内(3着以内)に絡むことが多く、昨年も2着に8番人気のサクラアンプルール、3着に7番人気のロゴタイプが入って、3連単の配当は30万円を超えている。

 ということで、今回も過去10年の結果と傾向を参考にして、穴馬候補を探してみたい。

 まず目につくのは、重賞実績の豊富なベテランの激走である。

 2008年には、7番人気のエイシンドーバーが2着となった。同馬は前年にGIIとGIIIで勝利を挙げていたが、その後、勝ち星から遠ざかっていて、明け6歳とベテランの域にさしかかってきていたため、人気が落ちていた。

 2012年に7番人気で2着、2013年にも8番人気で3着に入ったシルポートも同様だ。2011年には重賞で2勝を挙げて、2着に好走することもあったが、その年の夏以降から不振が続いて、2012年には明け7歳と高齢になったことで敬遠された。2013年には明け8歳ゆえ、なおさらである。

 2017年に7番人気で3着に突っ込んできたロゴタイプも、言わずと知れた皐月賞馬。その前年にもGI安田記念で勝利を挙げるなど、GI通算3勝の実績がありながら、7歳を迎えてその衰えが心配されたのか、低評価にとどまった。

 こうした例から、近走では結果が出ていなくても、重賞実績が豊富なベテランであれば、狙い目となる。

 面白いのは、マルターズアポジー(牡6歳)だ。


気持ちよく逃げれば、一発がありそうなマルターズアポジー

 2走前にGIII京成杯オータムハンデ(9月10日/中山・芝1600m)で4着、前走ではGIマイルCS(11月19日/京都・芝1600m)で15着と大敗を喫した。加えて、明け6歳のベテランとなって、人気は下降傾向にある。

 しかし、そうは言っても重賞3勝を誇る実績馬。過去の例からしても、侮れない存在だ。

 前2走は逃げ馬の脆(もろ)さが出た感もあり、自分のペースに持ち込めれば、巻き返しも可能だろう。むしろ、今回のようにマークが薄れたときこそ、怖いのが逃げ馬なのだ。

 続いてピックアップするのは、前述した2010年の大波乱。1着13番人気、2着12番人気という決着は、中山記念の歴史に残る番狂わせだった。

 その2頭の戦績を見てみると、似ている点があることがわかった。

 それは、いずれも前年の上半期にオープン入りしたこと。その後、何度か掲示板に乗るような善戦を見せるものの、勝ち星を挙げるまでには至らず、重賞ではやや足りないと見られていたことだった。

 トーセンクラウンは、前年の3月にオープン入り。以降、GIIIとオープン特別とで2度3着になったものの、重賞ではふた桁着順で終わることも多かった。そのうえ、直前のオープン特別でも8着と惨敗していた。

 テイエムアンコールも、前年の6月に1600万条件を卒業したが、オープン入り後は掲示板に乗るのが精一杯。こちらも直前のレースでは7着と馬群に沈んでいた。

 そうした状況にあって、ともに人気薄となったが、重賞やオープン戦のレースに慣れてきたこともあったのだろうし、馬場や展開なども味方して、2頭そろって大駆けを決めた。

 これら2頭に似た馬が、今年もいる。マイネルサージュ(牡6歳)である。

 同馬は一昨年の年末にオープン入りした。しかし、その後はなかなか結果を出せず、オープン戦や重賞では頭打ちといった状況にある。

 その分、人気が上がりそうもないが、そろそろ重賞のペースに慣れてきてもいい頃。週末の天候や展開によっては、トーセンクラウンやテイエムアンコールのような一発があってもおかしくない。

 最後に取り上げたいのは、中山記念では過去に好走したことがある馬が再度上位に食い込むケースが多い、ということ。先に取り上げたシルポートや、ロゴタイプらがそのいい例である。

 ロゴタイプは、4歳時(2014年)に3着、5歳時(2015年)に2着、そして7歳時(2017年)に3着と、この舞台では3度も上位入線を果たしている。その他、カンパニーが2008年、2009年と連覇を遂げている。

 ならば、今回もそんなリピーターを狙いたい。昨年2着のサクラアンプルール(牡7歳)がオススメだ。

 昨年は8番人気で穴を開けた。舞台適性は十分である。その後、昨夏にはGII札幌記念(8月20日/札幌・芝2000m)を勝って、重賞制覇も果たした。

 前走のGI有馬記念(12月24日/中山・芝2500m)で16着と大敗し、人気落ちは必至の状況だが、その前走では不利があった。今回、得意舞台に戻って再び台頭しても何ら不思議ではない。 有力各馬にとって、春の大一番へ向けて重要なステップレースとなる中山記念。先々に大きな希望を抱く馬たちが見事に結果を残すのか。はたまた、思わぬ伏兵馬がそこに割って入ってくるのか。平昌五輪の興奮に勝るとも劣らぬ、白熱したレースが見られることを期待したい。

◆歴史的な「名牝」濃厚。女王ラッキーライラックがどんどん大きくなる>

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