レシピ投稿サイトを運営するクックパッドが出した、定款の変更案が話題だ。2月16日に同社ホームページ上で公表され、3月27日の定時株主総会で付議にかけられるという。主な変更内容は、定款の始めに「ミッション」の項目を設け、

「当会社は、『毎日の料理を楽しみにする』ために存在し、これをミッションとする」
「世界中のすべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時、当会社は解散する」

と記載するものだ。

「どうやって観測するんだ」「社会インフラになる自覚ないんか」という声も


同社は変更案の提示理由について「事業活動の目的を明確にするため」などとしているが、ネットでは突然の変更に「クックパッドさん大丈夫?疲れてるんじゃないの?」など、困惑する声も広がっている。「定量的な測定が不能かつ実現不可能な状態を定款に入れるのはいいのかねえ」など、「すべての家庭において、毎日の料理が楽しみになった時」をどう判断するのかという問いや、

「社会インフラになる自覚ないんか…。インフラは作るより維持が大変なんや」
クックパッドがすべての家庭に料理の楽しみをもたらした瞬間クックパッドが消滅するの、すべての家庭が困る気がするけど……」

という指摘が出ていた。一方で、「かっこいい」「意識高い」といった声や、

「ミッションの設定は関係者にとって有用やな。外野には言わせとけばいいのよ、どうせ部外者なんだし」
「え、いいじゃん。Googleの『世界中の情報を整理する』みたいなやつ。解散するかどうか宣言しなくてもいいとはおもうけど」

と、肯定的な反応も多く出ていた。

金融業への進出検討中? 「前払式支払手段の発行および販売」などの事業項目新設

今回の変更案でもう一つ注目したいのは、事業内容に関する部分だ。リリースでは変更理由を

「新技術の研究開発へ積極的に取り組む姿勢を明確にするとともに、毎日の料理を楽しみにするための多様な事業に対応できるよう、事業目的を変更する」

としている。変更案では、これまであった33項目を再編し32項目にまとめている。「酒類の販売」と、料理と関連性のある項目のほか、「債権管理回収業」「前払式支払手段の発行および販売」「資金移動業」など、金融系事業が新たに追加されている。