パトリック・デマルシェリエ(Patrick Demarchelier)photo : Getty Images

マリオ・テスティーノやブルース・ウェーバーなど有名ファッションフォトグラファーによる性的暴行が発覚しているファッション界。今度はフォトグラファーのパトリック・デマルシェリエの長年にわたるセクハラが告発された。

パトリック・デマルシェリエは雑誌『ヴォーグ』などで長年活躍してきたフォトグラファー。故ダイアナ元妃のリクエストで、イギリス人以外で初めて英国王室の公式フォトグラファーになったことでも知られている。その彼からセクハラ行為を受けたと50名以上のモデルやスタッフたちが告発したことを新聞「ボストン・グローブ」が報じた(ちなみに「ボストン・グローブ」は2002年にカトリック教会の神父による数々のセクハラ行為と組織的隠蔽を暴きピューリッツァー賞を受賞している。この報道については映画『スポットライト世紀のスクープ』で描かれている。)

同紙によるとデマルシェリエのセクハラは、不適切なボディタッチから性的な誘い、性的暴行まで広範囲に及ぶという。彼の元アシスタントの1人は彼から執拗に性的関係を求められたと告白。職を失うことが怖かった彼女は、彼の求めに応じざるをえなかったという。また他にも6人の女性たちが性器を触られたり、胸をつかまれたりしたと訴えている。

この告発に対してデマルシェリエは同紙に対して「嘘をついている。彼女たちは話を作っている」とコメント、全面的に否定。でも『ヴォーグ』は当面の間デマルシェリエとの仕事は行わないと発表している。

マリオ・テスティーノ(Mario Testino)、パトリック・デマルシェリエ(Patrick Demarchelier)photo : Getty Images

以前のインタビューでデマルシェリエは自分の撮影が「とても激しいセッションになる」とコメントしていたこともある。「ヌード写真を撮る時、とても性的なムードになる。感情が感じられるヌード写真が好きなんだ。臆病な部分と無防備な部分が入り混じったものが好きだ」とも。

今回の告発ではデマルシェリエの他にも『ヴォーグ』や「ヴィクトリアズ・シークレット」のフォトグラファーとして活躍していたグレッグ・カデルやスタイリストのカール・テンプラー、キャスティングディレクターやモデルエージェントなど約 25名のセクハラ行為が暴かれている。蔓延するセクハラ行為が明らかになるファッション界。これからどのような改革が行われるのか、注目したい。

text: Yoko Nagasaka