今年最初のGIレース、フェブラリーS(東京・ダート1600m)が2月18日に行なわれる。

 過去10年における1番人気の戦績は、4勝、2着1回、3着3回、着外2回。比較的安定した結果を残しているが、3連単は万馬券が8回、そのうち3回は10万円を超える高配当となっており、波乱含みのレースである。

 また、現在のダート路線は、中央、地方合わせてGI通算11勝のコパノリッキーが引退するなどして、世代交代の波が一気に押し寄せ、非常に混沌とした状態にある。言い換えれば、どの馬が勝ってもおかしくなく、人気の盲点をうまくつけば”オイシイ馬券”をゲットできる可能性が大いにあるのだ。

 日刊スポーツの松田直樹記者も、まずは最近のダート戦線が「過渡期にある」ということを指摘する。そのうえで、今年のレースの傾向については次のように語った。

「(ダート戦線は)ちょっと前まで幅を利かせていた7、8歳世代が、さすがに下降線をたどりつつあります。GI3勝のサウンドトゥルー(せん8歳)は自慢の末脚に少しずつ陰りが見え始め、アウォーディー(牡8歳)の先行力にも年齢的な衰えを感じます。

 そうした状況にあって、今年のフェブラリーSでは世代交代が完全に遂行されるのではないか、と個人的には見ています。

 過去5年の連対馬10頭のうち、8頭が4、5歳馬で占められているように、そもそもフェブラリーSは若い馬のためのレース。そして今年も、昨年挙げた2勝がどちらもGIという5歳馬の”大砲”ゴールドドリーム(牡5歳)をはじめ、魅力的な4、5歳馬がたくさんいますから」

 翻(ひるがえ)って、デイリー馬三郎の吉田順一記者は、中間の状態やレースの条件を踏まえ、人気が予想される昨年末のGIチャンピオンズC(12月3日/中京・ダート1800m)の1、2着馬に対して、疑問を呈す。

「チャンピオンズC優勝馬で、昨年の覇者でもあるゴールドドリームは、昨年と同じローテーションで臨みますが、追い切り開始日が1週遅れて(追い切りが)1本少ないのがどうなのか。

 一方、チャンピオンズCで2着と充実一途のテイエムジンソク(牡6歳)。チャンピオンズCでは初の左回りを克服し、そのあとも同じ舞台で行なわれた東海Sを完勝して適応力の高さを示しました。

 しかし、今回は初めての関東遠征、そして芝スタートの一戦。加えて、デビュー以来、最も短い距離のレースとなるマイル戦で、本来のダッシュ力とポジションで競馬ができるのか。それぞれ、不安材料を抱えています」

 今年からスポーツ報知に移籍した豊島俊介記者も、ゴールドドリームへの懸念を口にする。

「ゴールドドリームにとって、今回の舞台選定は申し分なく、年齢的にも今が充実期の印象があります。ただ、どうしてもゲートの不安がつきまといますから、絶対的な信頼を置けるタイプではありません」

 上位人気を争う有力2頭が絶対視はできないとあれば、ますます波乱ムードが漂う。そこで、松田記者はサンライズノヴァ(牡4歳)を逆転候補に推奨する。



初のGI制覇が期待されるサンライズノヴァ

「前走の根岸S(1月28日/東京・ダート1400m)では、レコード決着の2着。昨年のGIIIユニコーンS(1着。6月18日/東京・ダート1600m)でもそうだったように、速い流れになったときの”脚比べ”では地力を発揮する馬です。それだけに、一度でもブレーキを踏んでしまうと、そのよさが霞(かす)んでしまいます。

 根岸Sでは、直線に入って、追い出すタイミングとほぼ同時に、再び進路を取り直さざるを得ないような若干の不利がありました。勝ったノンコノユメ(せん6歳)とはハナ差だったことを思えば、あのロスさえなければ、勝利に手が届いていたのではないでしょうか。

 スピード&持久力が求められる東京のダート戦では、5戦3勝、2着1回、着外1回。超一線級との対戦はなくても、自分の力さえ発揮すれば、馬券圏内に入ってきても不思議ではありません」

 サンライズノヴァについては、吉田記者も推奨馬の1頭に挙げる。

「これまで12戦して4勝、2着3回、3着1回、着外4回。着外に敗れた4回のうち、阪神・芝2000mの若葉S(6着)、京都・ダート1800mの鳳雛S(4着)、大井・ダート2000mのジャパンダートダービー(6着)の3回は適性外のレースにおける結果で、東京・ダート1600mの武蔵野S(12着)については、好スタートから意図的にポジションを下げたことで多くの不利を受けたもの。すべて明白な敗因があって、度外視できます。

 前走の根岸Sはノンコノユメにゴール前でつかまりましたが、これは締まった砂質の影響もあったと思います。適度に力のいる馬場なら、差されないでしょう。

 チャンピオンズCは次点で出走できない悔しさを味わいましたが、今回は根岸S2着で本賞金を加算し、出走できることになりました。その勢いと運を生かして、最もパフォーマンスを発揮できる東京・マイルのダート戦で躍動する可能性は高いと思います」

 ただ、サンライズノヴァはそれなりに人気を集めるだろう。「それならば……」と吉田記者が一発を秘めた”伏兵馬”を推す。

「昨年の武蔵野S(11月11日)の覇者インカンテーション(牡8歳)です。フェブラリーSで2着に奮闘したのは3年前(2015年)のことですが、昨年の3月以降、1着、2着、1着、1着、7着と再ブレイクを果たしています。ゆったりとしたローテーションで、適条件のレースを使っていることが、能力をうまくキープさせる要因となっているのでしょう。

 さらに、16戦6勝、2着2回、3着2回、着外6回と左回り巧者。今回のメンバー構成なら、平均ラップを好位で運べるでしょうから、この馬の持っている能力がフルに発揮できれば、好勝負に持ち込めるのではないでしょうか」

 豊島記者は、昨年9月に韓国のGIコリアカップ(9月10日/ソウル・ダート1800m)を勝ったロンドンタウン(牡5歳)と、昨年のJBCスプリント(11月3日/大井・ダート1200m)を制したニシケンモノノフ(牡7歳)を波乱の使者に指名した。

「チャンピオンズC(15着)、東京大賞典(5着。12月29日/大井・ダート2000m)と、ここ2戦の走りを見て思ったのは、ロンドンタウンは本質的にはマイルぐらいの距離が合っているかもしれない、ということ。中距離戦で結果を残しているのは小回り戦が多く、うまくごまかしていた面があるのでしょう。マイルへの距離短縮でパフォーマンスを上げてきそうなタイプだけに、怖い1頭ですよ。

 ニシケンモノノフは、昨年も5着と善戦。正直、マイルはぎりぎりというイメージですが、今年は中距離志向の馬がそろった印象で、序盤は淡々と進みそうな展開が予想されます。その分、例年ほどスタミナが要求されず、道中も余力を残して運べるのではないかと思っています。ならば、前々でスムーズに流れに乗れそうな同馬が、昨年以上の結果を残してもおかしくありません」 激戦のフェブラリーS。ダート戦線の世代交代がここで一気に進むのか。それとも、ベテラン勢がまだまだ意地を見せるのか。いずれにせよ、「どの馬にもチャンスがある」と言われる今年は波乱の匂いがプンプンする。

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