春の「ダート王」を決めるフェブラリーS(東京・ダート1600m)が2月18日に行なわれる。

 ここ10年は、1番人気が4勝、2番人気が2勝と、有力馬が人気どおりの結果を残している、比較的手堅いレースと言える。ただ、荒れる要素も多分に含んでいる。

 2014年には、16頭中最低人気だったコパノリッキーが大金星を挙げた。2万7210円という単勝配当は、JRAのGIレース歴代2番目となる高配当となった。3連単も、2着に2番人気ホッコータルマエ、3着に1番人気ベルシャザールが入りながら、94万9120円という激アツな配当をつけた。

 その他にも、7番人気のテスタマッタが勝利した2012年や、6番人気のサクセスブロッケンが制した2009年など、しばしば番狂わせが起こっている。

 ならば、今回も過去10年の結果を参考にして、波乱を呼ぶ伏兵馬を探してみたい。

 まずピックアップしたいのが、実績豊富な古豪の8歳馬である。

 2008年に7番人気で2着に奮闘したブルーコンコルドと、2013年に9番人気で2着に食い込んだエスポワールシチーと、過去に2度、穴を空けている。

 さらに、その2頭には年齢以外にも共通点があった。いずれもフェブラリーSには過去3度出走していて、その中には好走例もあるということだ。

 ブルーコンコルドは、初めて出走した2004年が5着、2度目の2006年が4着、そして3度目の2007年には2着と結果を残している。

 片や、エスポワールシチーも、2009年に初めて出走して4着、2度目の2010年には見事に勝利を飾った。そして、3度目の2012年は5着だった。

 ともにそれだけの実績がありながら、8歳という年齢を迎えて人気を落としたが、相性のいい舞台で再び底力を見せつけたのである。

 そして今年も、輝かしい実績を持つ8歳馬がいる。ベストウォーリア(牡8歳)だ。

 同馬も、2014年から4年連続でフェブラリーSに出走。最初は13着と大敗したものの、以降は3着、4着と善戦し、ついに昨年のレースでは2着と結果を出した。

 ただ、直近のレースでは、3走前の地方交流GIマイルCS南部杯(10月9日/盛岡・ダート1600m)で6着、GIII武蔵野S(11月11日/東京・ダート1600m)が7着、前走のGIII根岸S(1月28日/東京・ダート1400m)もフレグモーネ(皮膚の化膿)により、レース直前に出走を取り消した。

 こうした現状と、8歳という年齢が嫌われて今回は人気落ち必至だが、前述のブルーコンコルドやエスポワールシチーも、直近のレースでは振るわなかったものの、フェブラリーSで巻き返した。実績のある”ベテラン”を侮ってはいけない。

 続いて目にとまったのは、地方交流重賞で善戦してきた馬だ。それも、交流GI東京大賞典(大井・ダート2000m)→交流GI川崎記念(川崎・ダート2100m)というローテーションを経て、フェブラリーSを迎えた馬である。

 その例となるのが、冒頭で触れた2009年のサクセスブロッケンと、2013年に7番人気で3着と穴を開けたワンダーアキュート。前者は東京大賞典で3着、川崎記念でも3着と健闘し、後者も東京大賞典で3着、川崎記念で2着と好走してきてフェブラリーSに臨んだ。

 しかし、地方交流GIの激走も「手薄なメンバーによる結果」と見られたのか、その戦績はあまり評価されなかった。加えて、中距離戦からの距離短縮が嫌われて、ともに伏兵扱いにとどまっていたが、中央であれ、地方であれ、ダートGI戦で好走してきた実力は本物だったのだ。

 そこで今回も、同じローテーションで結果を出してきた馬がいないか探してみると、2頭いた。

 ケイティブレイブ(牡5歳)と、サウンドトゥルー(せん8歳)である。より惹(ひ)かれるのは、2走前の東京大賞典(12月29日)で3着、前走の川崎記念(1月31日)で1着と、上り調子のケイティブレイブだ。

 同馬も、地方交流GIの結果は高く評価されず、距離短縮が懸念されて、1、2を争うような上位人気にはなりそうもない。だが、過去の例からして、無視するのは禁物。昨年末のGIチャンピオンズC(12月3日/中京・ダート1800m)でも4着に奮闘したことを思えば、一発あってもおかしくない。

 最後に取り上げたいのは、過去のGI勝ち馬である。

 中央、地方を問わず、GI実績のある馬は、それだけ高い実力を秘めているということ。フェブラリーSでも、人気を落としたGI馬が改めて力を示して穴を開けることが多々ある。

 ここまでに名前が挙がったブルーコンコルド、エスポワールシチー、サクセスブロッケン、ワンダーアキュート、そして冒頭で紹介したテスタマッタと、ほとんどの馬が中央、地方、どちらかのGIを過去に制した実績を持っていた。

 とすれば、GIの勲章を持ちながら、さほど人気を得られそうもない馬は絶好の狙い目となる。

 今回で言えば、先にも名前が出たサウンドトゥルーだ。


2016年のチャンピオンズCを制したサウンドトゥルー

 地方交流GIを2勝し、中央でも2016年GIチャンピオンズCを制している。GI実績は、今回のメンバーの中ではトップクラスだ。

 ところが、連覇を狙った昨年末のチャンピオンズCでは、人気を裏切って11着と大敗。前走の川崎記念でもケイティブレイブから1秒5も離された5着に敗れている。

 そのため、今回はかなりの人気落ちが予想されるが、前例のとおりGI実績を軽視してはいけない。

 また、同馬は8歳馬であり、フェブラリーSで穴を開けるローテーションも踏襲してきている。すべてのキーワードに当てはまる、これ以上ない「穴馬」候補だ。大駆けの可能性は大いにある。 群雄割拠のダート戦線。どの馬にもチャンスがある分、波乱の目も十分にある。今年最初のGIは、一攫千金を狙うにはうってつけのレースと言えそうだ。

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