BIGLOBEニュース上の読売新聞の記事

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トランプ米大統領が日本を含む貿易相手国に対し、「殺人を犯している」との強い言葉で非難したとの報道に対し、誤訳であるとの指摘があがっている。

トランプ大統領は12日、ホワイトハウスの会合において「中国や日本、韓国、そのほかの多くの国で巨額を失っている」として、対抗措置を取る方針を表明。その際、これらの国を「They’ve gotten away with murder」との言葉で非難したと米ロイター通信などが伝えている。この表現を読売新聞は、「『殺人』を犯しておきながら許されている」との訳で紙面に掲載。ウェブ版の記事でも「『日本など『殺人』』トランプ氏、貿易巡り非難」との見出しをつけて配信した。AFPBB Newsも同様に、「トランプ氏、日本などが貿易で『殺人』と非難 対抗措置を警告」との見出しで、「殺人を犯しながら逃げている」と伝えた。

この日本語訳について経済アナリストの青木文鷹氏は、「『get away with murder=好き勝手にする』って慣用表現で“殺人”は全く関係ない」と指摘。「殺人」と直訳するのは誤訳で、今回の発言は「好き放題している」と訳すのが正しいと説明している。青木氏は、読売新聞やAFPBB Newsに連絡をとっているが、記事掲載から約2日が経過した15日朝の時点でも訂正されていないとして、「3日経っても訂正されないようなら、ホワイトハウスにメールするかな」と語っている。

なお、15日にAFPBB Newsは記事の見出しを「トランプ氏、日本などが貿易で『好き放題だ』と非難 対抗措置を警告」に訂正。ただ、記事本文の「これらの国は殺人を犯しながら逃げている」の部分は訂正していない。