2月11日に行なわれるGII京都記念(京都・芝2200m)。例年同様、あるいはそれ以上に、今年は好メンバーがそろった。

 だが、ひと筋縄ではいかない可能性も十分に考えられる。

 というのも、1番人気が濃厚な昨年のダービー馬レイデオロ(牡4歳)は、これまですべてのレースで手綱を取ってきたクリストフ・ルメール騎手が騎乗停止。急遽、ダリオ・バルジュー騎手に乗り替わりとなった。

 さらに、同馬も含めて、ほとんどの有力馬が休み明け。そうした状況を踏まえると、たとえ10頭という少頭数の争いであっても、伏兵馬の台頭を期待したくなる。

 実際、過去の京都記念を振り返ってみても、番狂わせがしばしば起こっている。過去10年でも断然の人気馬が馬群に沈んで、5〜6番人気の馬が勝利したことが4度もある。

 2014年、当時GI5勝を挙げていて単勝1.6倍という圧倒的な支持を得ていたジェンティルドンナが6着に屈する一方で、6番人気のデスペラードが勝ったのは、そのいい例だ。他にも、昨年のマカヒキ(3着)や、2015年のハープスター(5着)ら、単勝1倍台の人気を得ていた馬が思わぬ敗戦を喫している。

 そこで今回も、過去10年の結果を参考にして、今年の「穴馬」候補を探してみたい。

 まず興味深いのが、5番人気の牝馬の好走だ。

 そもそも牝馬の健闘が目立つレースで、過去10年で馬券圏内(3着以内)に絡んだことが4度もあるのだが、そのうち、2011年2着のメイショウベルーガ、2017年2着のスマートレイアーが5番人気だった。

 しかも、それぞれ12頭立て、10頭立てと、今年と同じ少頭数のレースだった。であれば、「5番人気の牝馬」を狙わない手はない。

 実際、今回のメンバーを見渡してみると、ディアドラ(牝4歳)か、クロコスミア(牝5歳)の、どちらかが5番人気になる可能性が高い。

 ディアドラは、昨年のGI秋華賞(10月15日/京都・芝2000m)の覇者。続くGIエリザベス女王杯(11月12日/京都・芝2200m)では12着に敗れたものの、ひと息入れてここに挑んできた。


メキメキと力をつけてきているクロコスミア

 クロコスミアは、そのエリザベス女王杯で2着に入った。軽快な先行力を武器にして、昨年の夏あたりから本格化。ここに来て、秘めた実力が完全に開花した印象だ。

 2頭とも現役牝馬では上位クラスの存在で、強豪牡馬相手でも流れや展開次第では逆転のチャンスもある。ともに休み明けを苦にしないのもプラス材料。当日のオッズを見極めて、どちらか狙ってみてはどうだろうか。

 続いて目についたのは、GIで物足りない成績しか残せていない馬たちの金星だ。

 2012年に5番人気で制したトレイルブレイザーは、それまでにGII勝ちはあったものの、GIでの連対はなかった。先述した2014年のデスペラードも、GIIでは勝ち星を挙げていて、2、3着に好走することもあったが、GIは2度走って9着、7着と凡走していた。

 GIIではあるものの、ときにGIさながらの豪華な面々がそろう京都記念。そのため、これら2頭は「このメンバーでは通用しない」と見られたのだろうが、レースではその下馬評を見事に覆(くつがえ)した。

 調整が難しいこの時期、いい状態さえ整えられれば、格下馬の大物食いは十分に起こりえるのだ。

 これらの例を参考にして、GII、GIIIでは結果を残しているものの、GIでは実績が足りない馬を今年も狙いたい。

 ぴったり当てはまるのは、ミッキーロケット(牡5歳)だ。

 昨年のGII日経新春杯(2017年1月17日/京都・芝2400m)を勝利し、他にもGII2着、GIII2着の実績がある。だが、GIでは3歳時に出走した菊花賞(京都・芝3000m)での5着が精一杯。その他は、すべて掲示板を外している。

 そして今年も京都記念には、冒頭で記したレイデオロをはじめ、昨年の皐月賞馬アルアイン(牡4歳)、エリザベス女王杯を制したモズカッチャン(牝4歳)など、GIレース並みのメンバーが顔をそろえた。そうなると、ミッキーロケットの評価は確実に下がるだろうが、過去の例からして、ここでの一発があってもおかしくない。

 最後に着目したのは、GIで好走歴のある人気薄馬の激走だ。

 2008年に11番人気で3着に突っ込んできたシルクフェイマスと、2009年に9番人気で3着入線を果たしたヴィクトリーがその好例である。

 前者は、GI宝塚記念(阪神・芝2200m)で2着、GI天皇賞・春(京都・芝3200m)で3着の実績があった。片や、後者はGI皐月賞(中山・芝2000m)の優勝馬。ともに、近走の成績などから「もはやピークは過ぎた」と思われて低評価に甘んじていたが、このレースで久しぶりに躍動して実績馬の意地を見せた。

 この例からは、GI実績がありながら、近走の不振で人気を落とした馬が狙い目ということになる。が、今年はそうした馬が見当たらなかった。

 ただ、GI実績がありながら、豪華メンバーに隠れて伏兵扱いにとどまっている馬はいる。クリンチャー(牡4歳)だ。

 同馬は、前走の菊花賞(10月22日)で2着となった実績を持つ。にもかかわらず、同レースが不良馬場という特殊な状況にあったため、馬場適性がものをいったとして、その好走がフロック視されてしまっている。

 ゆえに、ここでも人気は上がりそうもないが、過去の結果を鑑(かんが)みても、GI実績というものを軽視してはいけない。

 また、シルクフェイマスやヴィクトリー同様、クリンチャーもどちらかと言えば、先行脚質。前々で気分よく走れれば、そのまま粘り込んでも不思議ではない。現在の京都の荒れた馬場を考えれば、同馬の激走への期待は一段と膨らむ。 これまで多くの大物がシーズンの出鼻をくじかれてきた京都記念。今年もそんな歴史が繰り返されるのか、穴党にとっては腕が高鳴る一戦である。

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