東京競馬場のマイル戦と言えば、実力が如実に表れるコースとされてきた。つまり、実力どおり、実績どおりの堅い決着が多いという定説である。

 しかし、2月4日に行なわれるGIII東京新聞杯(東京・芝1600m)の歴史を振り返ってみると、決してそんなことはない、ということがわかる。

 なにしろ、過去10年の結果を見ても1番人気の勝利はゼロ。2012年には8番人気のガルボが勝利し、2014年も8番人気のホエールキャプチャが金星を挙げている。

 2008年にいたっては、6番人気のローレルゲレイロが1着となり、2着に13番人気のリキッドノーツ、3着に12番人気のタマモサポートが入って、3連単の配当が250万円を超える大波乱となったのだ。

 ならば、今回も過去10年で穴を開けた馬をピックアップ。それらに似た伏兵馬を探し出して、高配当を狙ってみたい。

 まず着目したいのは、東京マイル、それもGI戦での実績を持つ馬の逆襲だ。

 先述した2014年のホエールキャプチャは、2年前(2012年)のGIヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)を制覇。2013年の同レースでも2着に食い込んでいたが、そのレースぶりに波があり、牡馬混合戦では目立った成績を残していないこともあって、人気の盲点になった。

 また、2015年に9番人気で2着となったアルフレードも、3年前(2012年)の3歳時にGI NHKマイルC(東京・芝1600m)で2着と好走していたが、のちにケガをして1年半もの間、戦線離脱。復帰後はオープン特別で善戦することはあっても、勝ち負けを演じるまでには及ばず、低評価にとどまっていた。

 だが、そもそも東京マイルという舞台においては、どちらもGIでも通用する力を示していた。その得意舞台で、ともにきっちり力を発揮して波乱の立役者となったのだ。

 これらと同じように、今年も東京マイルのGI戦において、過去に結果を残している馬がいる。

 デンコウアンジュ(牝5歳)である。


東京のマイル戦を得意とするデンコウアンジュ

 同馬もホエールキャプチャ同様、戦績に波があるタイプで、牡馬混合の重賞では力不足と見られている。そのため、今回も伏兵の域を出ないが、昨年のGIヴィクトリアマイル(2017年5月14日)で、11番人気ながら2着に突っ込んできた。

 さらに、2歳時にGIIIアルテミスS(東京・芝1600m)を快勝。東京マイル戦での成績が際立っているだけに、軽視するのは禁物だ。

 次に注視したいパターンは、条件戦を勝ってオープン入りしたあと、直前の重賞で敗れて人気を落とした馬の巻き返しだ。

 2008年に13番人気で2着となったリキッドノーツは、2走前に1600万条件を勝ってオープン入り。しかし、続くGIII京都金杯(京都・芝1600m)で12着と惨敗して、重賞では足りないというイメージが膨らんでしまった。

 2016年に11番人気で3着に入ったマイネルアウラートも、1000万条件、1600万条件と連勝し、果敢にGII阪神C(阪神・芝1400m)に挑むも、9着と馬群に沈んだ。その結果、直後の東京新聞杯では人気が上がることはなかった。

 これら2頭の例から言えることは、オープン入り直後の重賞で力及ばなかったとしても、それだけで評価を落としてはいけないということ。どんな馬でも、いきなり重賞で好走するのは簡単ではない。一度、その”壁”を体験したことによって、再挑戦で力を見せるケースは多々ある。

 この観点で狙うなら、今年はストーミーシー(牡5歳)だろう。

 2走前に1600万条件を勝ったあと、前走はGIII京都金杯(1月6日)に挑戦した。5着に敗れて、ここでも穴馬の1頭という評価は変わらないが、勝ち馬とはコンマ2秒差。まずまずの走りを見せたうえ、過去の例を踏まえれば、今回さらに上昇カーブを描く可能性は十分にある。

 しかも、同馬は昨年、東京新聞杯に格上挑戦して、10番人気ながら4着同着と健闘している。舞台適性も高く、一発あってもおかしくない。

 最後に取り上げたいのは、直近のレースで善戦し続けながら、伏兵扱いにとどまっていた馬の激走だ。

 2011年に7番人気で2着となったキングストリートは、前年の夏に1600万下から2度目の昇格を果たすと、オープン特別の小倉日経オープン(小倉・芝1800m)で3着。続くオープン特別では9着に敗れたものの、その後はマイル戦のオープン特別を3走して、5着、3着、5着と掲示板を確保し続けた。

 2012年に8番人気で勝利したガルボも、3走前となったオープン特別のキャピタルS(東京・芝1600m)で2着。続くGII阪神Cでは6着と惜しくも掲示板を逃したが、直前のオープン特別・ニューイヤーC(中山・芝1600m)では再び2着と奮闘した。

 この2頭は、オープン特別では上位争いを演じていたが、重賞では力不足と捉えられて低評価に甘んじた。だが、オープンクラスで安定した力を発揮できる馬であれば、それを続けることで重賞でも勝ち負けできるようになるということ。

 そこで、今回食指が動くのは、ディバインコード(牡4歳)である。

 昨春には、GI NHKマイルCにも出走した同馬(10着)。その後、休養に入って昨秋に復帰すると、オープン特別を3戦して、3着、2着、3着と好結果を残している。

 ただ一方で、「オープン戦でも勝ち切れない」という評価もある。そして今回は、重賞のうえ、好メンバーがそろっているため、人気上昇は見込めない。まさに、前例を見れば、穴馬として無視できない存在ではないだろうか。

 今年は人気馬の多くが、差し、追い込み馬。それらが後方でけん制し合う中、好位で運べるディバインコードがその間隙を突いて、上位入線を果たしても不思議ではない。 これまで、数々の名勝負が繰り広げられてきた東京のマイル戦。「波乱の舞台」となる東京新聞杯では、新たな”番狂わせ伝説”が再び生まれるのか、穴党にとっては見逃がせない一戦となる。

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