今週末4日には京都で3歳馬の重賞・GIIIきさらぎ賞(芝1800m)が行なわれる。このレースの勝ち馬からは1999年スペシャルウィーク(日本ダービー)、2003年ネオユニヴァース(皐月賞、日本ダービー)、2016年サトノダイヤモンド(菊花賞)と過去20年で3頭のクラシックホースが出ている。さらに2006年の2着馬メイショウサムソンが春の2冠を制覇、2011年の3着馬オルフェーヴルが3冠馬になるなど、過去に多くの名馬が巣立っており、今年のレースも要チェックだ。

 過去20年の勝ち馬の血統を見てみると、20頭中最新の10頭を含む14頭中がサンデーサイレンス系と、圧倒的な成績が残っている。中でもディープインパクト産駒は4勝(2011年トーセンラー、2012年ワールドエース、2014年トーセンスターダム)、次いでマンハッタンカフェ(2015年ルージュバック、2017年アメリカズカップ)とフジキセキ(2006年ドリームパスポート、2013年タマモベストプレイ)の産駒が2勝ずつと好相性を示している。

 今年もディープインパクト産駒が5頭登録してきた。いずれも良血または高素質馬で、どの馬が出てきても注意が必要だろう。


ミルコ・デムーロ騎手を背に新馬戦を快勝したグローリーヴェイズ

 中でも筆者が推したいのがグローリーヴェイズ(牡3歳/尾関知人厩舎)。10月の中山の新馬戦(芝1800m)では好スタートからハナを奪い、2着に1馬身3/4差をつけて、そのまま逃げ切り。直線で後続を突き放す瞬発力には見どころがあった。

 2戦目は中京に遠征して、こうやまき賞(芝1600m)に出走したが、出遅れで流れに乗れず、1000m通過1分04秒1の超スローペースにもハマり、カフジバンガードにアタマ差の2着に敗れた。展開が向かなかったがゴール前での脚は目立っており、差す競馬にも対応できたし、力は見せた。距離も短かった印象で、いい経験になったと言えるだろう。新馬戦と同じ距離に戻り、好スタートを決めれば勝機は十分だ。

 血統は3代母に3冠牝馬メジロラモーヌがいる日本の名血だ。母の父はGIスプリンターズSを連覇したレッドファルクスの父としても知られるスウェプトオーヴァーボードで、その父エンドスウィープは、2014年きさらぎ賞勝ち馬で、昨年、オーストラリアでGI2勝を挙げた前述のトーセンスターダムの母の父。同馬とは母系のノーザンテーストの血も共通しており、非常に似た配合となっている。

 また、2011年の勝ち馬トーセンラーとは、母の父にミスタープロスペクター系が入り、リファールのクロスがある点が共通。このように、グローリーヴェイズはきさらぎ賞を勝ったディープインパクト産駒と多くの共通点を持っているのだ。臨戦過程、血統と条件は揃っており、期待したい。

 出走馬一の良血馬と言えるのがダノンマジェスティ(牡3歳/音無秀孝厩舎)だ。全兄に昨年の皐月賞馬アルアインがいて、母ドバイマジェスティはGI BCフィリー&メアスプリントを勝った米牝馬チャンピオンスプリンターという素晴らしい血統の持ち主である。新馬戦(阪神・芝1800m)では直線でふらつく幼さを見せたが、2着馬に3馬身1/2差をつける強い内容だった。

 ただし、きさらぎ賞におけるキャリア1戦の馬は過去30年で18頭が出走して2着以上はなく3着が2回と、1頭も勝っていない。このレースに限らず、重賞競走では新馬戦や条件戦で強い勝ち方をしてきた馬がオープン馬の壁にぶち当たるケースは多い。

 キャリアの多さは重要だ。ダノンマジェスティはこのメンバーでもアッサリ勝って不思議ない潜在能力の持ち主と見ているが、新馬戦で気性的に幼い面を見せたこともあり、1戦1勝の身で人気を背負って重賞に出てくるとなれば、ちょっと割り引いて考えたい。

 今回は重賞勝ち馬のみならず、芝2勝馬がいないというフレッシュなメンバー構成となるが、その中で実績ナンバーワンとなるのがカツジ(牡3歳/池添兼雄厩舎)だ。昨年10月の新馬戦(京都・芝1600m)を勝利し、続くGIIデイリー杯2歳S(2017年11月11日/京都・芝1600m)で2着に入っている。

 血統は母メリッサがGIII北九州記念(小倉・芝1200m)勝ち馬で、現5歳の全兄ミッキーグローリーも芝1400〜1800mで4勝と、ややスピード寄りになっている。先行争いがやや激しかったデイリー杯2歳Sでも自分のペースを守って競馬ができていたので、1800mもこなせる条件ではあるが、スタミナ比べの流れになると苦しいかもしれない。また、寒くて馬体の絞りにくいこの時期に約3カ月ぶりの実戦なので、当日の馬体重が大幅に増えているようだと割引だろう。

 ここまではディープインパクト産駒を3頭挙げたが、血統面から注目したい馬としてエポカドーロ(牡3歳/藤原英昭厩舎)を挙げておきたい。

 同馬の父オルフェーヴルはクラシック3冠などGI6勝を挙げた名馬で、初年度産駒が昨年デビューした。ラッキーライラックが無傷の3連勝でGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)を制して2歳女王に輝いたが、牡馬の大物は今のところ出ておらず、勝馬率も高くないので現地点での評価は微妙なものになっている。

 しかし、このエポカドーロは母が2006年GIIフィリーズレビュー(阪神・芝1400m)など重賞2勝のダイワパッションとなかなかの良血だ。1月21日に行なわれた前走の未勝利戦(京都・芝1600m)では3カ月半ぶりの実戦で、馬体重も14kg増と余裕があったが、ハナを奪って危なげなく逃げ切る強い内容で初勝利を挙げている。

 父オルフェーヴルもこのレース3着後、続くGIIスプリングSから重賞6連勝を達成している。出走すれば中1週の楽ではないローテーションとなるが、休み明けを叩いての上積みも期待できそうで、上位食い込みに期待したい。

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