GIフェブラリーS(2月18日/東京・ダート1600m)の前哨戦となるGIII根岸S(東京・ダート1400m)が1月28日に行なわれる。

 長年の競馬ファンであれば、このレースの予想は「難しい」という印象があるかもしれない。というのも、ここでは頻繁に波乱が起こっているからだ。

 過去10年のレースを振り返ってみても、3着以内に10番人気以下の伏兵馬が突っ込んできたケースが5回もある。例えば、2010年には11番人気のグロリアスノアが大金星を挙げ、2015年には16頭中15番人気のアドマイヤロイヤルが3着に入って、あッと驚かせている。

 こうした結果から「難解なレース」といったイメージが強いかもしれないが、裏を返せば、それだけ高配当が期待できるということでもある。そこで今回も過去10年の結果をヒントにして、波乱を起こしそうな穴馬を見つけ出してみたい。

 まず目につくのは、激走馬の多くが”8歳馬”ということである。

 先述のアドマイヤロイヤルをはじめ、2011年に10番人気で3着となったダイショウジェット、2016年に10番人気で3着に入ったグレープブランデーなど、ふた桁人気で馬券圏内に絡んできた馬のほとんどが、8歳馬なのだ。

 その他にも、5番人気で3着となった2014年のシルクフォーチュン、6番人気で2着に入線した2016年のタールタンなど、高齢8歳馬の活躍が目立つ。

 通常、8歳馬ともなれば「ピークを過ぎた」と見られて軽視されがちだが、このレースに限って言えば、むしろ”8歳馬”ということが”買い”のシグナルとなる。



8歳馬ゆえ、軽視できないベストウォーリア

 そして、今年の出走馬を見渡してみると、1頭だけ8歳馬がいた。ベストウォーリア(牡8歳)である。

 2014年、2015年と地方交流重賞のGIマイルCS南部杯(盛岡・ダート1600m)で連覇を達成。昨年の根岸Sでも2着と好走するなど、長年ダートの短距離、マイル戦線で上位を争ってきている実績馬だ。

 それだけに、今回もそれなりに人気するかもしれないが、ここ2走はマイルCS南部杯(2017年10月9日)で6着、GIII武蔵野S(2017年11月11日/東京・ダート1600m)で7着と精彩を欠いている。しかも8歳という年齢となり、これまでのような上位人気にはならないのではないか。

 だからこそ、今回が狙い目なのである。

 叩き3戦目による復調が期待され、鞍上も名手クリストフ・ルメール騎手が務める。そして何より、このレースと相性のいい8歳馬である。一発あっても不思議ではない。

 一方、このレースでは、伸び盛りの馬が人気薄で”大仕事”を果たすことも少なくない。

 その一例となるのが、2012年に9番人気で2着となったトウショウカズンだ。同馬は、1600万下、オープン特別と連勝して臨みながら、その連勝は「相手に恵まれた」と見られてか、単なる伏兵扱いにとどまった。

 2014年に8番人気で2着となったノーザンリバーもそうだ。こちらは、オープン特別、GIIIカペラS(中山・ダート1200m)と連勝してきたが、GI前哨戦のここでは実力不足と判断されてか、人気が上がらなかった。

 こうした結果から見てわかるのは、クラスやメンバーレベルに関わらず、近走で結果を残してきた好調馬は要チェックということだ。

 今回なら、アキトクレッセント(牡6歳)がこれに該当する。

 昨年4月にオープン入りすると、直後のオープン特別では2着と好走したものの、その後はGIIIで12着と大敗を喫するなど、重賞の壁に阻まれた。

 だが、2走前の武蔵野Sで3着と善戦し、前走のオープン特別・ギャラクシーS(2017年12月24日/阪神・ダート1400m)では、難敵を蹴散らして快勝した。今の勢いなら、ここでも勝ち負けを演じる可能性は大いにある。

 さて、根岸Sのようなダート重賞において、頭を悩ますのは地方交流重賞を戦ってきた馬の取り扱いだ。対戦実績が少ないゆえ、比較評価が難しい、というのがひとつある。

 もうひとつは、地方での結果をどう評価すべきか、ということ。今や中央のトップレベルの馬が地方交流重賞に参戦し、そのレベルは相当高くなっているが、コースとの相性などもあって、その結果を素直に評価していいかどうか、悩ましい問題となる。

 そうした状況にあって、地方交流重賞で好走してきた馬が中央の重賞で一度負けたりすると、それだけで人気を落としてしまうケースがある。「やっぱり中央では通用しない」、あるいは「中央の舞台は合わない」と見られてしまうからだろう。

 この根岸Sにおいても、そうやって人気を落とした馬が穴を開けたときがある。2013年に10番人気で3着と奮闘したセイクリムズンだ。

 同馬はもともと中央の重賞でも勝ち星を重ねていたが、徐々にダート重賞が充実している地方戦を主戦場とするようになり、そこで輝かしい成績を積み重ねていった。ただ、そういうスタンスとなってからは、中央の重賞ではなかなか結果を残せなくなった。

 2013年の根岸Sを迎える前にも、地方交流重賞では前年に4連勝を飾ったうえ、3走前のGI JBCスプリント(川崎・ダート1400m)でも2着に入り、地方では力をあるところを示していたが、JBCスプリントのあとに臨んだ中央のカペラSでは9着と馬群に沈んだ。

 これで、中央では厳しいと見られたのか、地方交流重賞を1戦挟んだあとに挑んだ根岸Sでは、人気が急落した。

 だが、中央でも、地方でも、実績のある馬であれば、まったく無視するのは禁物。調子さえ戻れば、レースの流れや展開次第で上位争いできるからだ。

 そこで、今年狙ってみたいのが、サイタスリーレッド(牡5歳)である。

 同馬は昨年、地方交流重賞のGIIIテレ玉杯オーバルスプリント(2017年9月20日/浦和・ダート1400m)を勝利。前走も、地方交流重賞のGIII兵庫ゴールドトロフィー(2017年10月27日/園田・ダート1400m)で3着と、地方戦では結果を残している。

 だが、中央では3走前のオープン特別・室町S(2017年10月21日/京都・ダート1200m)で13着、続くカペラSでも15着と大敗を喫して、最近の中央戦では結果を出せていない。そのため、今回も人気は上がらないだろうが、セイクリムズンの例からして、ここで反撃してもおかしくない。

 室町SやカペラSでは、単純に歯車がかみ合っていなかっただけかもしれない。状態が整っていれば、改めてここで能力の高さを示してくれるはずだ。 芝のレースに比べてダート戦では、人気馬が思わぬ大敗を喫することや、無印の馬が大駆けするシーンが多々見られる。それほど予断を許さぬ戦いゆえ、思い切った予想で一攫千金を狙うのも悪くない。

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