今年最初のダート重賞となるGII東海S(中京・ダート1800m)が1月21日に行なわれる。

 昨年12月、同じ舞台で行なわれたGIチャンピオンズC(2017年12月3日)で惜しくも2着に終わったテイエムジンソク(牡6歳)が人気を集めそうだ。

「メンバーを見渡す限りでは、テイエムジンソクが断然の存在です。前走のチャンピオンズCが正攻法で挑んでの2着。その内容が濃く、鞍上の古川吉洋騎手も『堂々と勝ちにいって負けたから仕方がない』と結果はともかく、その走りには満足していました」

 日刊スポーツの太田尚樹記者もそう言って、テイエムジンソクには一目置いている。ただ一方で、このコースを「魔のコース」と呼んで、波乱の要素は十分にあると踏んでいる。

「中京のダート1800mという舞台は、同じ条件で行なわれるチャンピオンズC同様、人気馬が思わぬ大敗を喫することが多いため、個人的には『魔のコース』という印象があります。実際に東海Sでも、中京競馬場改装後の最近5年間は、8番人気以下の伏兵が5頭も馬券(3着以内)に絡んでいます。

 その要因のひとつが、坂の途中からスタートするので、発馬が難しいということ。コースの得手、不得手がはっきり出る条件だと思いますよ」

 特異なコース設定ゆえ、超穴馬の台頭も想定する太田記者。そして、ここではサルサディオーネ(牝4歳)を推奨する。

 ここ3戦はすべてふた桁着順と、かなりの人気薄が予想されるが、これまで6戦して一度も掲示板に載っていない右回りに比べて、左回りは3戦2勝、2着1回。典型的な”左巧者”で、しかもその2勝しているのが、今回と同じ中京・ダート1800m戦なのである。

「中京での2戦2勝に加えて、やはり昨夏のGIIIレパードS(2017年8月6日/新潟・ダート1800m)で2着と奮闘したレースが忘れられません。12番人気の低評価でしたが、厳しい流れのなかでハナを切って粘り込みました。

 右回りは6戦して6着が最高とさっぱり。そのうえ、近走も冴えませんが、今回は左回りへとコースが替わって、大化けする可能性があると思います。確たる同型馬がいないのも好材料です。管理する羽月友彦調教師も、『気性がよくなってきたし、体力もついてきている』と同馬の成長に目を細めていました。楽しみです」

 太田記者はもう1頭、コスモカナディアン(牡5歳)も穴馬候補に挙げた。

「前走の師走S(12着。2017年12月9日/中山・ダート1800m)は休み明けだったうえ、スタート直後に両側から挟まれる形になって、位置取りを下げざるを得ない不利がありました。

 昨年はこの時期、地方交流重賞の川崎記念(2017年2月1日/川崎・ダート2100m)を3着と健闘。4着と善戦した昨夏のエルムS(2017年8月13日/札幌・ダート1700m)では、手綱をとった丹内祐次騎手が『速い時計に対応できたのは収穫』と、馬が充実期を迎えていることを認めていました。叩き2走目で一変があってもおかしくありません」

 デイリー馬三郎の吉田順一記者も、今回の予想に際しては中京・ダート1800mという舞台の特徴を考えることが、まずは大事だと言う。

「中京・ダート1800m戦は、(スタート後)坂を上がってから平坦になるため、先に坂を上り切った馬が後続を引き離して、そのまま先手をとった馬がちぎって勝つシーンが多いのも特徴のひとつ。下級条件では、前半から無謀なペースになることが少ないため、前が強いのが基本です」

 吉田記者は続けてこう語る。

「(コースの特徴を踏まえて)実績的にも、展開的にも”核”となる存在がいる。あくまでもその馬が演出する流れと仕掛けによって、狙い馬は変わってきます」

 吉田記者が言う「核となる存在」とは、今回はテイエムジンソクとなる。そして、同馬が作る流れをうまく利用できるタイプを穴馬に推す。

「速めのラップを刻んで後続に脚を使わせるのが、テイエムジンソクのスタイル。この流れを得意としている先行馬は、ディアデルレイ(牡7歳)とシャイニービーム(牡6歳)です。そのうち、ディアデルレイは前走勝ったことで人気にもなり、マークもされる立場。ポジショニングの並びを考慮しても、テイエムジンソクの近くでうまく立ち回れるシャイニービームのほうが今回は狙い目です。

 馬体重450kg前後と決して大きな馬ではないため、関東圏への輸送には常に不安を抱えていましたが、2走前の師走Sでは馬体重を大きく減らさずに3着入線。オープンでもメドが立つ、好内容のレースを見せました。

 前走のペテルギウスS(12月28日/阪神・ダート1800m)でも3着と結果を残しました。今の充実ぶりと輸送距離の短い中京でならいい状態で出走でき、GIIでも互角に戦えると見込んでいます。展開と舞台を鑑(かんが)みれば、立ち回りひとつでさらなる前進があっていいと思います」

 中日スポーツの大野英樹記者も、テイエムジンソクの強さを認めつつも「付け入る隙はある」と断言。昨年の2着馬モルトベーネ(牡6歳)を逆転候補に挙げる。


昨年も12番人気で2着に奮闘したモルトベーネ

「(モルトベーネは)気の悪さから、安定した成績を残すことができていませんが、4歳時の準オープン・花のみちS(2016年6月26日/阪神・ダート1800m)でテイエムジンソクを下した実績があります。型にはまれば、(人気馬とも)差のない力を持っています」

 昨年の東海Sでも12番人気で2着に突っ込んできて、波乱の立役者となったモルトベーネ。その後、GIIIアンタレスS(2017年4月15日/阪神・ダート1800m)では重賞初制覇も果たして、実績だけ見れば、ここに入ってもまったく見劣りしない。

「先週は、この馬にしては珍しくCWコースで追い切りを消化。いかにも勝負がかりを思わせる、熱の帯びた稽古をこなしていました。集中して走れば勝ち負けできる能力を秘めているだけに、ここでの一発に期待したいです」(大野記者) 昨年は、1番人気グレンツェントが勝利したものの、3連単は46万5440円という高配当となった。そんな大荒れの展開は、今年も起こるのか。その”使者”となり得る候補が、ここに挙げた4頭の中にいる。

■堅いAJCCが荒れるとき、現れるタイプと同じ穴馬が今年も3頭いた>>

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