やはり、という印象である。1シーズンでのJ1復帰を果たした名古屋グランパスが、オーストラリア代表GKミチェル・ランゲラクを獲得したのである。

 ここ数年のJ1リーグにおいて、外国人GKの獲得は成功のポイントである。人気が高いのは韓国人守護神だ。

 昨シーズンのJ1リーグを制した川崎フロンターレには、加入2年目のチョン・ソンリョンがいた。10年と14年のW杯に出場し、12年のロンドン五輪にもオーバーエイジで参加したこの33歳は、失点が少なくなかったチームを建て直した。勝点につながる好セーブを見せている。

 14年のブラジルW杯でチョン・ソンリョンに次ぐ韓国の第2GKだったのが、現ヴィッセル神戸のキム・スンギュだ。彼も16年からJリーグでプレーしており、同年は7位、17年は9位と、それまで二けた順位の多かった神戸の守備を安定させている。

 昨シーズン3位のセレッソ大阪には、キム・ジンヒョンがいる。今年元旦の天皇杯決勝でも好守を見せた30歳が、チームの守備にもたらす影響力は大きい。

 18年にJ1復帰2シーズン目を迎えるコンサドーレ札幌の守護神は、15年から在籍するク・ソンヨンだ。この195センチの23歳も、札幌の守備に必要不可欠である。

 チームの成績に影響をもたらすのは、韓国人GKだけではない。J1復帰1年目の16年に13位、17年は6位へステップアップしたジュビロ磐田には、ポーランド人GKクシシュトフ・カミンスキーがいる。J1復帰を果たした15年から在籍する彼も、勝点を運んでくるGKと言っていい。

 話題を名古屋へ戻そう。

 就任2年目の風間八宏監督は、チョン・ソンリョンが加入した当時の川崎Fを率いていた。いわゆるアジア枠を有効活用し、チームの背骨となるセンターラインを強化する意味で、韓国人GKは投資効果の見込める補強だ。
 
 同じことは、オーストラリア人選手に言えるだろう。ラグビーとクリケットでも有名なこの国のアスリートは、日本人にはない高さや強さを持っている。韓国人選手と同様に、アジア枠が適用される。

 ところが、Jリーグでは不思議なほど人気銘柄と成り得ていない。18年シーズンのJ1でも、オーストラリア人選手は少数派に属している。ロシアW杯を視野に入れる代表クラスは、横浜F・マリノスのミロシュ・デゲネクぐらいだろう。

 名古屋が獲得したランゲラクも、代表クラスのGKである。ドイツ・ブンデスリーガで長くプレーしてきたこの29歳は、即戦力として期待できる。昨シーズンのJ2でワースト6の65失点を許した──21位のロアッソ熊本よりも多かった──チームにとって、GKが補強ポイントのひとつだったのは間違いない。
 
 ハイレベルな外国人GKとの競争によって、日本人GKの水準が上がっていくことも期待される。韓国代表クラスのクォン・スンテと曽ヶ端準が定位置を争う鹿島アントラーズのような関係が、各チームで構築されていけば理想的と言える。
 
 ランゲラクが加入した名古屋には、楢粼正剛がいる。29歳のオーストラリア代表がチームメイトになることを誰よりも前向きにとらえ、ひときわ闘志を燃やしているのは、この元日本代表かもしれない。41歳にしてハイレベルな競争に身を投じることができるのは、プロとしての喜びを感じられる環境だからだ。