2歳の女児が虫歯の治療を受けた後に体調が急変して2日後に亡くなった。リポーターの阿部祐二が女児の両親を取材した。亡くなったのは福岡県に住む山口叶愛(のあ)ちゃんで、昨年7月(2017年)、虫歯を治療するため初めて局所麻酔を受けた。

約1時間の治療を終えた直後に異変が起きた。付き添っていた両親は「顔を見たら青ざめ目の焦点が合わない。唇は紫色」(母親)、「抱きかかえたら固まった状態。間違いなくおかしいと思った」(父親)と話す。

小児歯科医院の院長に「おかしい」と訴えたが、院長は「よくあることです。泣き疲れたらよくなりますよ」と気にも留めなかったという。しかし、いっこうに回復しないため別の病院に連れて行ったが、その時にはすでに叶愛ちゃんは手足が冷たく、熱も42度もあった。心臓停止で蘇生措置を受けるまで悪化していた。

異変から7時間後に大学病院に移したが、2日後に亡くなった。警察の説明では、体内の酸素が不足し脳に障害が起きる低酸素脳症だった。

鼻呼吸うまくできず酸素不足

なぜ低酸素脳症が起きたのか。駒込デンタルオフィスの山本将弘院長は「幼児は鼻で呼吸する習慣がまだ身についていない。拘束されて息がしづらい状態で酸素が体に不足したのではないか」とみる。

呼吸器系に詳しい大谷クリニック(東京・池袋)の大谷義夫院長は「唇が紫色になっているのは、酸素が足りない状況で脳の活動ができなくなっている心不全の状態です。アナフィラキシーになってしまった可能性もあります。麻酔薬によるアレルギーの可能性もあり、全身管理ができる病院にすぐに搬送すべきだった」と話す。

大沢あかね(タレント)「歯科医の『よくあることです』という言葉はすごく重いですよね。放置していた間に適切な処置をしていたら助かっていた可能性がありますよね」

警察はこの小児歯科医院の院長を業務上過失致死の疑いで捜査している。