2018年の中央競馬は、例年よりも1日遅い1月6日からの開催。東西でお馴染みのハンデ重賞、金杯で幕を開ける。今年の”競馬運”を占う意味でも見事的中させて、幸先のいいスタートを切りたいところだ。

 ここでは、今後の躍進が期待される活きのいい4歳馬がそろったGIII中山金杯(中山・芝2000m)を取り上げたい。

「弊社の社杯でもある日刊スポーツ賞中山金杯なので、何がなんでも当てたいですね(笑)」

 そう息巻くのは、日刊スポーツの松田直樹記者。同記者も、まずは将来性ある4歳世代に注目する。

「今年の明け4歳馬(の世代)は3歳時の昨年、古馬混合のオープン以上の競走において、モズカッチャンが制したエリザベス女王杯、ペルシアンナイトが快勝したマイルCSのGI2勝を含めて15勝。これは、過去5年の3歳馬世代の中では最多の勝利数です。ここに出走するウインブライト(牡4歳)もGIII福島記念(11月12日/福島・芝2000m)を勝っていて、優秀な世代としてさらなる飛躍が期待されます。

 しかし、この実績を鵜呑みにしすぎるのはどうなのか、とも考えています。ウインブライトにしても、勝利した福島記念の勝ち時計は2分0秒2。同日に同条件で行なわれた500万下のレースよりもコンマ4秒遅く、上がりもコンマ2秒遅いものでした。ゆったりしたペースの恩恵もあったはずで、加えて今回は前走からハンデ2kg増の56kg。個人的には狙いにくいと思っています」

 松田記者は明け4歳世代のレベルの高さを認めるものの、4歳馬だからといって、すべての馬に飛びつくのは危険だと言う。

 同様に、スポーツ報知の坂本達洋記者も、有力視されている4歳馬でもダイワキャグニー(牡4歳)については懸念を示す。

「(ダイワキャグニーは)重賞を勝っていないにもかかわらず、ハンデが56kgというのは、やや荷が重い気がします。しかも、同馬をはじめ、マイネルミラノ(牡8歳)など強力な先行タイプがそろっていて、展開面から判断すると、前に行く馬よりも、差し、追い込み勢のほうに食指が動きます」

 そこで、松田記者は”大穴”としてアウトライアーズ(牡4歳)を推す。

「約半年ぶりの前走キャピタルS(11月25日/東京・芝1600m)は10着に敗れましたが、24kg増といかにも休み明けの馬体でした。レースでも無理することなく、後方から無難に大外を回ってくる競馬。それでいて、勝ち馬からコンマ9秒差なら、それほど悲観することはないと思っています。

 また、コース適性や気性面を考えれば、前回の東京よりも今回の小回り中山のほうが向いているはず。現に、3歳春のスプリングS(中山・芝1800m)では勝ったウインブライトから半馬身差の2着と好走しています。ここにきてメンタル面の成長も見せていますし、前走から1kg減となる斤量54kgで臨めるのも歓迎。一発に期待してみたいです」

 坂本記者は、同じく明け4歳の「セダブリランテス(牡4歳)が中心」としながらも、穴馬にはブラックバゴ(牡6歳)を挙げる。同馬は、中山・芝2000m戦では3戦1勝、2着1回、3着1回と好成績を残している。


中山金杯に向けて調整を重ねるブラックバゴ(右)

「(ブラックバゴは)近走では追い込む形で結果を出していて、決め手勝負となれば、面白い存在です。特に、モデルチェンジに成功した3走前の五稜郭S(7月8日/函館・芝2000m)での追い込みは圧巻でした。斎藤誠調教師も、『あのレースで本物になってきた。精神的な落ち着きも出てきたので、力を出せるようになってきている』と、かなりの手応えを感じています。

 過去には、ホープフルS(3着)や京成杯(2着)といった同じ中山・芝2000mを舞台とした重賞でも好走しています。さらに今回は、変貌を遂げた五稜郭Sで手綱を取った岩田康誠騎手とのコンビが復活。年明け一発目の大仕事を期待したいです」

 ブラックバゴについては、松田記者も期待を寄せる。

「3角からまくるように進出して完勝した前走のアンドロメダS(11月18日/京都・芝2000m)が強かったですね。中山・芝2000mは3コーナーあたりからペースが上がる傾向が強く、立ち回りのうまさと長くいい脚を使える馬が好走しやすいコース形態。ブラックバゴが昨年勝った3勝も、中山、函館、京都内回りの2000mと器用さの生きる舞台ばかりですから、ここでも力を発揮してくれるのではないでしょうか」

 デイリー馬三郎の吉田順一記者は、中山の馬場状態や予想される展開を鑑(かんが)みて、まずはこの舞台で適性がありそうな血統について分析する。

「新年の中山競馬場は、仮柵を設けたCコースを使用して絶好の馬場状態で行なわれるため、先行馬と内枠が基本的に有利に映ります。ただ、それをジョッキーが意識してペースが速くなるためか、追い込み馬が台頭しやすいのも確か。年齢とともに甘さが目につくマイネルミラノが57kgを背負うことを踏まえれば、勝負どころから動きのある競馬になりそう。

 また、一瞬の脚よりも長く脚を使えることが求められる近年は、キングカメハメハやステイゴールド産駒が活躍しています。昨年のリーディングサイヤーであるディープインパクト産駒は、中山・芝2000m自体は好成績を残していますが、流れがシビアになる中山金杯では苦戦しています。その辺は頭に入れておくといいかもしれません」

 吉田記者が言うとおり、これまで中山金杯にはディープインパクト産駒が延べ5頭出走して未勝利。3着1回、着外4回と振るわない。

 対して、キングカメハメハ産駒は延べ7頭が出走して2勝、3着1回、着外4回、ステイゴールド産駒は延べ11頭が出走して2勝、3着1回、着外8回と結果を出している。

 しかし、吉田記者はそうした傾向にあえて反して、ディープインパクト産駒を穴馬として挙げる。

「デニムアンドルビー(牝8歳)です。中山金杯で好走実績のないディープインパクト産駒に加えて、8歳という高齢馬。データ的にはまったく推せないし、人気も上がらないと思いますが、2着に入った前走チャレンジC(12月2日/阪神・芝2000m)のレースぶりからすると、コース面での不安はなく、54kgというハンデも魅力です。

 チャレンジCでは(馬の)気持ちを奮い立たせるのが上手だったクリスチャン・デムーロ騎手の好騎乗があったとはいえ、強烈なまくり脚は高齢による衰えを感じさせませんでした。ディープインパクト産駒ながら、一瞬の切れというより、しっかりとギアを上げて伸びてくるタイプ。その点は、母父キングカメハメハの影響が出ているのかもしれません。ここでも楽しみな存在です」

 吉田記者は、さらに「穴中の穴」として、ケントオー(牡6歳)の名前も挙げた。

「マイル戦を中心に使われてきましたが、ここに来て中距離路線にシフトチェンジして、その見通しも立ってきました。時計が速くなる舞台では、適性以上に距離がもつ傾向があり、マイルで好時計を記録している点も追い風になります。

 さすがに特殊な馬場だった3走前のカシオペアS(10月29日/京都・芝1800m)では11着と惨敗を喫していますが、それを除けば近走では大崩れしていません。ポジショニングと流れひとつで浮上の余地は十分にあります。年末の調整も意欲的に行なわれており、一発の可能性を大いに秘めています」 競馬ファンなら誰もが夢見る”金杯で乾杯”。それを実現させてくれるような、ビッグなお年玉をもたらす穴馬がこの中にいるかもしれない。

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