提供:リアルライブ

写真拡大

『RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017 バンタム級トーナメント&女子スーパーアトム級トーナメント 2nd ROUND/Final ROUND』
▼12月29日 さいたまスーパーアリーナ
観衆 15,539人

▼RIZIN女子MMA特別ルール 3分3R 95kg
神取忍(ギャビの契約体重12kgオーバーにより試合中止)ギャビ・ガルシア

 大会前日の計量で、ギャビ・ガルシアが前代未聞の契約体重12.7kgオーバーの107.7kgを計測。これに激怒した神取忍は「ルールはどうなってるんだ? こっちは人生かけてるんだ。ふざけるな」と言い放ちながら退場。榊原信行RIZIN実行委員長と高田延彦統括本部長は「一旦こちらで引き取って、今日中に結論を出します」としていたが、主催者が両選手への聞き取りをした結果、神取サイドから「31日にスライドできないか?」という提案が出されたこともあり、結果当日の14時から榊原実行委員長が会見を行う形で、結論が発表された。

 榊原実行委員長は「結論から申しますと、試合は中止とさせていただきます。神取選手からは、体重差関係なく人生かけて準備をしたし、総合格闘技最後の試合という覚悟で調整したので31日に変更してでもという思いを伝えていただきましたが、私共も競技としてやってるものですから、非常識な組み合わせになるということで決断させていただきました。ギャビもふざけていたわけではなく、真剣に取り組んだ結果、今までできていたことができなくなっていたということでしたので、金銭的なペナルティなどではなく、主催者として今後は選手周りの人とコミュニケーションを密にして、健康管理とウェイトコントロールに注意をしていきたいなと思っております。今後は神取選手が望むのであれば、再戦の場を適切なタイミングで用意させていただきたい」とコメント。

 とは言え53歳の神取が、1年後にまた気持ちを切り替えて、もう一度準備をできるのかは未知数。RIZINとしてギャビ戦以外のオファーをする気持ちはあるのか? という質問をぶつけてみた。これに対して、榊原実行委員長は「このカードは神取さんが最強のギャビとやりたいという話から生まれたカード。神取さんもギャビ以外の選手とはやらないと思う。もちろん神取さんが望むのであればRIZINはバックアップを惜しみません」と神取がMMAに挑戦するならバックアップしていく意向を明らかにした。また、契約体重に関しても「再戦をするにしても95kgは無理だと思う。我々の考えが甘かったのかもしれない」と主催者として反省の言葉を付け加えるのも忘れなかった。神取のコメントを聞いてもわかるように、ギャビ戦にこだわっている神取にとって、体重制限は関係なかったのかもしれない。

 会場のファンには第4試合終了後に、神取対ギャビの煽り映像が流され、映像が終わると、ようやく中止のアナウンス。今の時代、ネットニュースの速報で榊原会見を見ているファンが多いのは事実だが、ギャビだけではなく、主催者に対しても「早く言えよ」という罵声がかなり浴びせられていた。これに関しては主催者も真摯に受け止めるべきだろう。続いて、リングに上がった神取には、大きな拍手と声援が送られ、セコンドとして堀田祐美子とともにリングサイドまで来た井上貴子は涙を浮かべていた。

 神取は「今日は本当に悔しいです。そして、ほんとに残念です。この1年、人生をかけてギャビを倒すために全身全霊かけてきました。しかし、今回のこのような結果になって、昨日も、31日になんとしてもやらしてくれと言いました。しかし、よくよく考えたらやっぱり、ルールがあるものです。ルールがあるからこの競技があり、格闘技、そして、私も去年、肋骨を怪我して1年間待たせてしまいました。そういったものを踏まえて、皆さんにお願いがあります、二人の体調が整ったら、是非闘いたいと思います。高田本部長、よろしくお願いします」