“今さら聞けない”IoTの基礎知識

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IoTはあらゆる観点において我々の生活を改革している。レジャーであれビジネスやヘルスケアであれ、あらゆる産業は新しい技術の受け入れに前向きであり、IoTに対してもそれは同じである。マッキンゼーによると2020年までには200〜300億台のデバイスがネットワークに繋がることになり、その経済価値は合わせて170億ドル相当になるという。

こういった数字はIoTがさまざまな産業に普及していけるのかという疑問を晴らすものだ。その成長は衰えを見せず、技術の浸透もそれに追いつくことになるだろう。競争が激化する中、小売業者はよりユニークな買い物体験を提供し、収益性と効率を高める方法を模索している。

小売業におけるIoTでかたることは多いが、まずIoTとは何かについて簡単に説明していこう。

 

IoTとは何か、それがどう生活に役立つのか?

IoT の話といえばハードウェアとセンサーのマシン間通信に関することだろう。我々の多くはIoTをよく知らなくなくても日常でIoTデバイスを見かけている。例えば家の温度を適切に保ち、自動的にスイッチを切り電気代を節約するサーモスタットは広く浸透している。

ほかにもエアコンや冷蔵庫、ドライヤーなどの家電にも組み込まれており、例外を探すのが難しいくらいである。

小売業界の場合、業者はIoTを使って顧客の行動をデータとして集め、将来のビジネス上の決断に役立てることができる。小売業にIoTを導入することを考えているのであれば、この記事からIoTが何を提供するのかを知ってほしい。

 

小売業界におけるIoT

小売業者に向けてIoTの話をする前に、早い段階で導入した人たちのレポートをざっと見てみよう。

小売業者の77%はIoTを顧客の体験を変えるためのものだと考えている。

小売業での早期導入者の89%はIoTから得られた顧客の行動や好みなどから有用な知見が得られたという。

小売業での早期導入者の77%はまた、顧客に製品やサービスを提供するための新しいパートナーと知り合う機会に恵まれた。

 

顧客のデバイスに届くデジタルサイネージ

オンラインショッピングが伸びている中、顧客が影響のされ分小売業も大きく影響を受ける。商品が安く手に入ることから人々はより多くオンラインショッピングを使うようになっている。ものを十分比較した上で購入できるのもオンラインショッピングが利用される理由だ。

そのため従来型の小売業者は多くの課題を抱えがちである。低価格、便利さ、比較した上での商品購入を限られた時間内に実現するうえで、彼らは未だに販売員に頼らざるを得ない。

小売業界の戦争はペースを急速に上げており、実店舗のオーナーはオンラインショップ価格に合わせなければならなくなっている。顧客を店に呼びこむことに、これはなかなかのチャレンジだ。

IoTはこの問題の助けになりうる。例を挙げると、SNSに繋がるデジタルサイネージと店内の顧客のフィードバックだ。顧客はモバイルデバイスを使わずに商品情報について知ることができる。

デジタルサイネージといえば、これまでは関連商品のディスプレイに役立つとされるものだった。これはこれで顧客の興味を引くことだろう。更に顧客を商品売り場へ誘導し購入に繋げることもできる。

マーケティングのもう一つ重要な観点は顧客の行動を知ることだ。顧客をより多く集めるために、店の前を通りかかった際に携帯電話の通知バーに宣伝を表示させることも可能だろう。小売業者はこうした機能を使い、店内の顧客に対しての商品を紹介し、販売員への問い合わせに導くこともできる。

一方販売員はセンサーに繋がっている店内全ての商品についての情報を持つデータベースにスマートウォッチを使って問い合わせをし、製品の在庫があるかをチェックし、決済をシームレスに行うことができる。IoTはこのような形でも役に立つことができる。またタブレットを使って商品がどのように使われるかを説明し、時間をかけずに決済まで完了できる。

 

商品までの顧客の誘導

小売業者は顧客のサポートのために従業員を雇わなければならない。スーパーマーケットには物が溢れており、特定の商品を探しだすことは楽なことではない。顧客からすれば店内の時間の殆どを商品探しに費やさなければならないということだ。

しかしIoTの活用で顧客の時間と小売業者の人件費の削減に繋げることができる。売り場スタッフのアシストや、顧客が商品の場所を特定するための店内センサーはその一例だ。またセンサーの読み込みが可能なデジタルディスプレイがあれば、顧客に商品の説明や利点、また食品の場合だと栄養価について提示できるだろう。

食品の多くはそれほど長く同じ棚に並んでられない。消費期限が過ぎていないことを保証するうえでもIoTは有効だ。

 

エコシステムを役立てるチャンス

IoTというと多くの業者はホームオートメーションやスマートホーム関連を選択しがちだが、企業相手だけでなく、一般消費者に対してもチャンスはある。

小売業者はサービスサポートやセールスサポート、顧客の家庭から自動で発注をかけられるIoTセンサーなどのエコシステムを役立てることができる機会にすでに恵まれている。

 

結論

このテクノロジーの時代に置いて、小売業者は競争に勝ち、売上を伸ばし、客層を築く上でのIoT導入の重要さを理解しなければならない。IoTについて精通していないのであれば、戦略の考案から計画、実装まで手伝ってくれる多くのソリューションプロバイダが助けとなるだろう。

RAY PARKER
[原文4]