これは軟化の兆しなのか? 日馬富士暴行事件に揺れる大相撲界。12月20日に開かれた臨時の理事会で、ついに関係者に処分が下された。
 「暴行現場にいた白鵬は給料を1カ月全額、2カ月目は半分、つまり50%カット。鶴竜も1カ月全額という減俸でした。減俸処分そのものは妥当だと思いますが、白鵬がたったの2カ月、鶴竜に至っては1カ月で処分終わり、というのは解せません。早く幕を閉じてしまいたいという協会サイドの思惑がミエミエです。日馬富士の師匠、伊勢ケ浜親方は理事を辞任しましたが、こちらも受け入れる前にキチンと理事会で処分を決めるべきで、いかにも甘い。一方、暴行の被害者である貴ノ岩が初場所を休場しても、十両に留め置くという救済措置は評価できます。ホッとしたファンも多かったのではないでしょうか」(大相撲担当記者)

 そんな中、相撲協会に報告義務を果たさず、徹底的に協会への協力を拒んできた貴乃花親方(45)への注目の処分だけは、12月28日まで先送りされた。
 「『危機管理委員会の事情聴取が済んでいない』ということが延期の理由ですが、これまで相撲協会に厳しい対決姿勢を見せていましたから、できることはやってキチンとした結論を出したいということではないか。相撲協会の強い姿勢の表れですよ」(協会関係者)

 まさか、それに怖気づいたワケではなかろうが、ここにきて貴乃花親方の姿勢が微妙に変わってきた。まず、これまで「とても(事情聴取に)耐えられる状態ではない」と言って拒否してきた弟子の貴ノ岩の事情聴取に応じたのだ。それも、臨時理事会の直前に駆け込むように。また、理事会の席上、自らの事情聴取にも応じることを約束した。
 この変化の裏に何があるのか。一門の関係者が力説する。
 「世間の風当たりが強いですからね。横綱審議委員会も、『あの(貴乃花親方の)言動は非難に値する。理事として、執行部のメンバーであることの責任をまったく放棄している、普通の組織ではありえないことだ』と言っていますし、そうではないことを示す必要に迫られたのではないでしょうか。でも、これで“軟化”したと受け取るのは早計です。貴乃花親方は信念に基づいて一連の行動をとっており、処分をちらつかされたからといって怖気づいて簡単に態度を変えるはずがありません」

 そういえば、「聴取に協力する」と言いながら、理事会直後や、その翌日の研修会後の危機管理委員会の聴取要請には、「所用がある」と、にべもなく蹴飛ばしている。
 それどころか、たとえ理事会がどんな処分を下そうと、絶対に生き抜いてやる、負けてたまるか、という強い意志は増すばかり。

 それを見せつけたのが、理事会2日前の18日に都内の一流ホテルで開かれた、貴乃花一門の総会に名を借りた忘年会だった。
 挨拶に立った貴乃花親方は、最近の険しい表情がウソのような爽やかな口調で、貴ノ岩が復帰に向かって順調に回復していると報告。駆け付けた阿武松親方(元関脇益荒雄)、立浪親方(元小結旭豊)、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)ら一門の親方に向かい、こう語りかけた。
 「咲くも、散るも、同じ道を行くといった気持ちしか、ございません」
 たとえどんなことがあろうと、一緒に頑張って行こう、支えて下さい、と呼びかけたのだ。さらに、カラオケでは思わせぶりな歌詞の石原裕次郎『勇者たち』を歌い、参加者たちの喝采を浴びた。
 《捨てるなよ戦いを、男なら最後に勝つ者になろうじゃないか。そして、お前にゃ俺がいる》

 まさに、対抗意識剥き出し。それにしても、どうして貴乃花親方はこの時期にこんな会を催し、ここまで熱く盛り上げたのか。大相撲界の内部事情に詳しいマスコミ関係者は、次のように紐解く。