有馬記念の熱気が冷めやらぬなか、今年は12月28日にも中央競馬が開催され、当日はGIホープフルS(中山・芝2000m)が行なわれる。

 今年から新たにGIに昇格した2歳戦。昨年の勝ち馬レイデオロ(牡3歳)が今年の日本ダービーを制したことから、来春のクラシックを占ううえでも重要な一戦となる。

 それもあってか、重賞やオープン特別で好成績を残している馬が多数参戦。これまでよりメンバーレベルが一気に上昇し、GIという舞台に相応しい顔ぶれがそろった。

「とはいえ、1勝馬が半数以上を占めるのも事実。ポテンシャルという点では、上下差がかなりある印象を受けますね。まずは、重賞でも通用する能力があるかどうか、そこが(狙える馬かどうかの)見極めになるでしょうね」

 そう語るのは、デイリースポーツの豊島俊介記者。そのうえで、レースの展開面についてはこう語っている。

「あと、今年のメンバーを見て思うのは、先行勢が思った以上にそろったな、ということ。今の中山は前が有利な馬場で、騎手の心理を考えると、序盤はかなり厳しいペースになるのではないでしょうか。以上のことから、ポテンシャルが高くて、末脚がしっかりとしている馬を狙っていきたいと考えています」

 一方、日刊スポーツの木南友輔記者は、これまでのホープフルS好走馬の”その後”から、このレースで走る馬の傾向について触れる。

「レイデオロを管理する藤沢和雄調教師は、『この時期に(2歳馬が)中山の芝2000mを走るのは負担が大きいよ』とよく言います。確かにホープフルSを勝った馬は、その後に低迷期があったり、伸び悩んだりしています。オープン特別時代も含めて調べてみると、ホープフルSを勝って次のレースでも勝利している馬は、10年前のマイネルチャールズが最後でした。

 そうした状況の中で、とりわけ反動が出やすいのは、新馬戦→ホープフルSと連勝するような素質馬。3年前の勝ち馬シャイニングレイもそうでした。そんな同馬が、今年のCBC賞(中京・芝1200m)を制覇。そこからわかることは、この舞台ではその馬の完成形が中距離やクラシックディスタンスに合う馬でなくてもいい、ということ。例えば、新馬勝ちから、その勢いのままここでも張り切って走り抜いてしまうような、能力を秘めた馬を狙うのが正解なのかもしれません。

 今年のレースで言えば、タイムフライヤー(牡2歳/父ハーツクライ)、ルーカス(牡2歳/父スクリーンヒーロー)、フラットレー(牡2歳/父ハーツクライ)といった『実力厩舎の大物感のある馬』よりも、魅力を感じるのは『即効性のありそうな無敗馬』。そういう馬を狙ってみたいですね」

 中日スポーツの大野英樹記者も、この舞台ではここまでの重賞実績は不問と見ている。

「人気を背負うのは、前走でデイリー杯2歳S(11月11日/京都・芝1600m)を制したジャンダルム(牡2歳/キトゥンズジョイ)をはじめ、重賞で好走したタイムフライヤー、ルーカスといったところでしょうが、デイリー杯2歳Sのウイナーには出世馬が乏しく、後者2頭も重賞を勝ち切れずにこの舞台へ回ってきた口。他馬にもチャンスは十分あると思います」

 そう言って、大野記者が狙いをつけるのは1勝馬。

「センスあるレース運びで、2着に3馬身差をつけて新馬戦(11月26日/京都・芝1800m)を快勝したトライン(牡2歳/父ディープインパクト)に注目しています。同レースでは、ハナにこだわったわけではないものの、スッと先頭に立つと、そのままマイペースで運んで逃げ切り勝ち。手綱を取った北村友一騎手も『乗りやすい馬だし、追ってからの反応も期待どおりでした』と、初陣の勝利にかなりの手応えを感じていました。

 その後も、ここを目標に順調な仕上がり見せています。舞台がトリッキーな中山・芝2000m。ならば、この馬のセンスの高さと機動力を信用していいと思います」

 木南記者は『即効性のありそうな無敗馬』として、ジャンダルムやトラインの名を挙げつつ、大穴としてジュンヴァルロ(牡2歳/父ニューアプローチ)とステイフーリッシュ(牡2歳/父ステイゴールド)の2頭を推奨する。

「ジュンヴァルロは、芝2000m戦で2連勝。母はデビューから7連勝でGI英2000ギニー(イギリス・芝1マイル)を制したドーンアプローチの半姉で、父がドーンアプローチと同じニューアプローチ。ドーンアプローチにかなり近い血統背景にあって、燃えやすい血筋かもしれません。そう思うと、逆に『2歳のうちに大きなところを狙える馬』という意味から、結構面白い存在となります。

 ステイフーリッシュは、中京の新馬戦(12月10日/中京・芝2000m)を完勝して参戦。中京の坂があるタフな直線は、『中山の急坂との関連性が強い』という持論が自分にはあって、無視できない存在です。デビュー戦がスローペースだったことが少し気になりますが、内容的には強かったですし、相手強化でも一発あると思いますよ」

 ステイフーリッシュは、豊島記者も推す。

「1戦1勝馬ですが、新馬戦の勝ちっぷりが実に鮮やかでした。上がり33秒8をマークし、中団から楽々と突き抜けて、非凡な能力を感じさせました。直線入り口では他馬と接触するシーンがありながらも、へこたれることなく、逆に闘志に火かついた感じでした。メンタルの強さは、ごちゃつきやすい中山の小回り戦では大きな武器になるでしょう」

 さらに、豊島記者はフラットレーの名前も挙げた。


ホープフルSでの巻き返しが期待されるフラットレー

「前走のオープン特別・アイビーS(10月21日/東京・芝1800m)で5着に敗れて、今回は人気が急落しそう。しかし、その前走は不良馬場のレースで、あれが同馬の能力でないことは明らか。まだまだ見限れません。

 デビュー戦(8月13日/札幌・芝1800m)の圧勝劇は、今夏の札幌での新馬戦の中でも、1、2を争うほどのインパクトがありました。この馬も力強い末脚を秘めており、ハイペースで台頭してきそうなイメージがあります」 今年最後の中央GI戦。有馬記念で悔しい思いをした方は、その雪辱をぜひともここで果たしてもらいたい。

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