スペイン絵画の巨匠・ベラスケスの傑作と至宝のコレクションを紹介する「プラド美術館展」開催

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◆スペイン絵画の巨匠・ベラスケスの傑作と至宝のコレクションを紹介する「プラド美術館展」開催

ディエゴ・ベラスケス 左:《王太子バルタサール・カルロス騎馬像》1635 年頃 マドリード、プラド美術館蔵 右:《狩猟服姿のフェリペ4世》1632-34 年 マドリード、プラド美術館蔵 (C) Museo Nacional del Prado
16〜17世紀、強大な帝国を築いたスペイン王国は、新大陸からもたらされた富で「黄金時代」を迎えていた。美術を愛する国王のもとで王室コレクションの管理を任され、宮廷画家として数々の肖像画も残したディエゴ・ベラスケス。この西洋絵画史の中でも重要な画家の1人とされるベラスケスの作品を筆頭に、プラド美術館から至宝のコレクションを集めた展覧会が開催される。栄華を誇ったスペイン王国の黄金時代を、名画で楽しもう。

プラド美術館のコレクションの真髄!7000点を超える中から選び抜かれた61点を展示
2018年2月24日(土)から5月27日(日)まで、上野の国立西洋美術館では「日本スペイン外交関係樹立150周年記念 プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」を開催。スペインのマドリードにあるプラド美術館は、16世紀以降のスペイン王家によって集められたコレクションを中心に開設されたそうで、7000点を超える絵画コレクションを所有している。

今回は、ベラスケスやスペインの王室コレクションを中心に、16〜17世紀の「黄金時代」に関する絵画61点を展示。中には、イタリア絵画10点、15世紀以降に現在のベルギーに当たる地域で花開いたフランドル絵画10点なども含まれていて、バラエティ豊かな見ごたえのあるラインナップとなっている。

美術においてスペインの黄金時代を支えた国王といえば、写真右のベラスケスの作品で描かれているフェリペ4世。宮廷画家でもあったベラスケスの主君であり、稀代の絵画コレクターとしても知られる。ベラスケスは、彼が国王であることを示す道具などは一切描かずに、威厳のある人物として表現。ありきたりな「国王の肖像」とは一線を画しているよう。

また、左の作品はフェリペ4世の長男、バルタサール・カルロスで、輝かしい将来を約束された王位継承者だったけれど、16歳で早世。作品は、5〜6歳の王太子の可愛らしさと凛々しさ、背景の山々の写実性などが色彩豊かに描かれた傑作といえる。


左:ディエゴ・ベラスケス《メニッポス》1638 年頃 マドリード、プラド美術館蔵
中:ディエゴ・ベラスケス《東方三博士の礼拝》1619 年 マドリード、プラド美術館蔵
右:ディエゴ・ベラスケス《マルス》1638 年頃 マドリード、プラド美術館蔵
(C) Museo Nacional del Prado

スペインの国民的画家・ベラスケスの傑作が7点も!日本の展覧会では過去最多の作品数
今回は、ベラスケスの傑作が7点も出品されていることに注目したい。17世紀のスペインを代表する画家で、西洋美術史上でも重要な存在であるベラスケスの作品を、プラド美術館では半数近く所蔵。でも、国民的画家である彼の作品が、まとまって貸し出される機会はめったにないのだとか。7点の出品は、日本で開催される展覧会としては過去最多の作品数で、美術ファンにはまたとないチャンスと言えそう。


ティツィアーノ《音楽にくつろぐヴィーナス》1550 年頃 マドリード、プラド美術館蔵(C) Museo Nacional del Prado
17世紀当時の西洋美術の中心地、イタリアやフランドル絵画などのコレクションも充実
17世紀当時、西洋美術の重要な中心地であったイタリアとフランドルは、かなりの部分がスペイン領になっていたため、両地域はスペインの美術にも密接に関わっていたそう。例えば、フランドルの画家ピーテル・パウル・ルーベンスはフェリペ4世に重用されたことから、宮廷に多くの作品を残してベラスケスの制作にも大きな影響を与えたという。

イタリアからは、写真の《音楽にくつろぐヴィーナス》を描いたヴェネツィア派の巨匠ティツィアーノなどの作品がもたらされ、これらは今でもプラド美術館の第一級のコレクションとなっている。


バルトロメ・エステバン・ムリーリョ《小鳥のいる聖家族》1650 年頃 マドリード、プラド美術館蔵(C) Museo Nacional del Prado
17世紀のスペイン絵画を代表するすべての画家の作品が勢揃い。ひととき、絵画の黄金時代を体感して
スペインの絵画に関しては、17世紀を代表するすべての画家の作品を展示しているので、展覧会を見れば当時のスペイン美術界がすべて分かるはず。写真の《小鳥のいる聖家族》を描いたバルトロメ・エステバン・ムリーリョも、黄金時代を代表する画家の一人で、愛らしい子どもの絵や甘美な母子像などの宗教画で知られる。

会場は、芸術家や芸術作品に関連する「芸術」、古代の哲学者などを描いた「知識」、古代の神話に基づく「神話」、王族の肖像などを集めた「宮廷」、さらに、風景画、静物画、宗教画という7つの主題に合わせた作品群で構成。また、この頃の絵画への理解をより深めるために、当時の芸術に関して書かれた書籍も展示する。

ベラスケスの傑作や歴代スペイン国王のコレクションを堪能したら、17世紀に栄華を極めた黄金時代のスペインを、ひととき体感できるかも。