ウイリアムズ姉妹が家族を亡くした体験談を語るイベントに出席

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ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が二人揃ってワシントンDCで開催されたイベントに出席。またセレナにとっては、長女を出産後初の公の場でコートに立ちファンと交流した。

ワシントンDCのテレビ局WJLAによると、ウイリアムズ姉妹は、ワシントンDCにあるサウスイースト・テニス・アンド・ラーニング・センターで「家族の問題」というチャリティイベントを主催し、暴力が家族にどのように影響を与えるかについて語った。姉妹は、2003年に姉イェタンド・プライスさんを殺害された経験から、2016年に「イェタンド・プライス・リソース・センター」を設立し、地域での暴力によって悪影響を受けた人たちを救済する活動を始めている。

ビーナスは「ここで経験したことを話すと長くなります。このセンターで多くの時間を過ごしました。子供たちとコートに出るだけということもあります。街にいるときに、ふらっと立ち寄って楽しい時間を過ごし、このように何かの一部になれるということは、コート上でこれまでなしえたことよりも大きなことです」と話す。

セレナもまた「毎回ここに戻り、コミュニティの中で可能な限り、その力になれることを本当に誇りに思います」という。

またビーナスとセレナは、ESPNのジェメル・ヒルが司会をしたパネルディスカッションに出席した。

家族を亡くしたトラウマから脱するためとしてセレナは「クリエイティブ・セラピーは自分自身を表現し、怒り、フラストレーションまたは感情を表に出す手段であるため、きわめて重要です。私はテニスをしていますが、今でも、自分をさらけだすようなことだったり、コートでこれらのすべての感情を表現したりするために、このクリエイティブ手法を活用しています」と話す。さらに「コミュニティ内の人々がそのエネルギーを発散できる場所、区域などがない場合が多々あります。ネガティブなエネルギーを解放し、創造的になることができないのです」と、サポートの問題点も指摘した。

ビーナスも「イェタンド・プライス・リソース・センター設立に関われたことは素晴らしい経験だった。自分の時間を提供できることは、個人としても大きな栄誉であり、さらに、誰かが何かをしているのを見た人々が、自分もそれに参加したいと思うようになることは素晴らしいことだと考えています」と補足する。

「あなたが人生にとって何かポジティブなことをするだけで、他者にモチベーションを与えることになり、さらに、モチベーションを与えられた側もあなたがよりよい行いができるよう、本当の励ましとなってくれるのです。こうしてポジティブな循環がつくられ、この点が私がこれらの活動に関して素晴らしいと感じているところです」

ディスカッションの後は、二人は参加者たちとコートで汗を流して交流を深めた。

その様子を、セレナの夫アレクシス・オハニアン氏は自身のインスタグラムに「今回のイベントに参加してくれたみなさん、資金をサポートしてくださったすべての方々に感謝を申し上げたい」とポストしている。

(テニスデイリー編集部)

※写真は「全豪オープン」決勝時のビーナス(左)とセレナ(右)
(Photo by Jason Heidrich/Icon Sportswire via Getty Images)