来年はモバイルPCの買い替えが最適になる? 急速にメニーコア化が進んだCPU事情

写真拡大 (全3枚)

2017年、PC向けのCPUはAMDが発売した8コア16スレッドの「Ryzen 7」を皮切りに、メニーコア化が進んだ。
一方、インテルも、その遅れを取り戻すべく18コア36スレッドの「Core i9」やラップトップとデスクトップ向けの第8世代「Core」シリーズを発表する流れとなった。

さらにAMDは、最大16コア32スレッドのハイエンド向けのCPU「Ryzen Threadripper」シリーズを発表した。

今年は久々に、CPU界隈の話題が熱かった。




ラップトップ、特にモバイル系のPCは電源を好きなだけ取れるデスクトップとは違い、内蔵バッテリーで動作させることが大前提となる。
それ故に、性能向上のためCPUコア数を増やしても、バッテリー消費が増えてしまっては本末転倒だ。

そこで、第8世代のCoreシリーズはベースクロックを落として消費電力を調整する一方で、ターボブースト時のクロックを大きく引き上げて性能向上を行っている。

例えば、
第8世代「Core i7-8550U」と第7世代「Core i7-7660U」はTDP15Wながら、コア数が4コア8スレッドと倍に増えている。ターボブースト時のクロックは4GHzと同じだが、ベースクロックはCore i7-7660Uの2.5GHzに対して1.8GHzと抑え気味だ。

一般的にPCの処理はCPUのクロックが高ければ速くなる。
しかし、体感できるほどの違いが出るかはまた別の話しだ。
特にCore i5やCore i7のようなハイパフォーマンスCPUにおいては世代間の違いは出にくい。

ところがCPUコア数が増えるとバックグラウンドで動くアプリケーションを気にせず、快適に作業を続けることができるというシーンが生まれる。




そしてモバイルPC向けのCPUとしてバランスが良いと感じるのが「Core i5-8250U」だ。こちらも第7世代の2コア4スレッドの倍、4コア8スレッドに増やし、ターボブースト時のクロックが3.1GHzから3.4GHzに引き上げられたことで、コストパフォーマンスが高いCPUに進化している。

ベースクロックは2.5GHzから1.6GHzへと大きくダウンすることとなったが、CPUクロック自体はバックグラウンドのアプリケーションにあわせて可変するため、思ったよりも良く動く印象だ。

ベースクロックが大きく下がったことで良い印象を受けないが、メニーコア化で必要十分なパフォーマンスを得られることから、長く使うのであれば大きくCPUアーキテクチャーが変わった第8世代のCore i5搭載のモバイルPCを選びたいところだ。

現在は、まだ第8世代のCoreシリーズを搭載したPCモデルは少ない。
しかし、2018年は総合パフォーマンス向上を謳った製品に世代交代する年となるだろう。

そう考えるとラップトップおよびモバイルPCの買い換え時期は、
2018年に登場する製品群ともいえる。

来年は、モバイルPCの買い替えに最適な年となりそうだ。


執筆  mi2_303