厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第28回:シエラ

 12月に入り、2歳戦も佳境を迎えている。格上げとなったホープフルSを含め、GI戦も3つ行なわれ、いよいよ来年のクラシックに向けた”主役”の存在が浮き彫りになってくる。

 とはいえ、これからデビューする馬たちも、まだ十分にクラシックの有力候補になる可能性を秘めている。実際に、直近に初陣を控えた中にも、高いポテンシャルを持っていそうな2歳馬がいる。

 その1頭が、栗東トレセン(滋賀県)の須貝尚介厩舎に所属するシエラ(牝2歳/父オルフェーヴル)だ。


「怪物」オルフェーヴル似のシエラ

 父は、今年から産駒がデビューしているオルフェーヴル。現役時代に三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)を含めてGI6勝を飾り、世界最高峰のレースとされるGI凱旋門賞(フランス・芝2400m)でも2年連続で2着となった希代の名馬である。すでに2頭の重賞勝ち馬を出しており、種牡馬としても魅力を感じさせる存在だ。

 そして、母も現役時代に名をはせたゴールデンドックエー。アメリカの重賞戦線で奮闘し、GIラスヴァージネスS(アメリカ・オールウェザー1600m)を制覇。他にも、GIやGIIで2着になるなど、輝かしい結果を残している。

 さらに、ゴールデンドックエーは日本で繁殖入りしてからも、母として着々と実績を積み上げている。

 2012年に生んだアルバートドック(牡5歳/父ディープインパクト)は、3歳クラシックでは日の目を見ることはなかったものの、古馬になってから重賞戦線で活躍。GIII小倉大賞典(小倉・芝1800m)、GIII七夕賞(福島・芝2000m)とふたつの重賞タイトルを手にしている。

 2013年生まれのリライアブルエース(牡4歳/父ディープインパクト)も、足もとの弱さから順調に使えなかったが、同馬を管理するスタッフはその素質を高く評価。デビュー2戦目できっちり初勝利を飾って、能力の一端を見せている。

 そうした背景もあって、関係者やファンが大きな期待を寄せるシエラ。間近に接しているスタッフはどう評価しているのか、関西競馬専門紙のトラックマンが仔細を伝える。

「管理する須貝厩舎では、シエラの調教などを見て、時計や動きは『水準以上』といった評価をしています。兄アルバートドックも管理していますが、『兄はスラッとしているのに対し、こちらは筋肉質』とのこと。毛色も兄は鹿毛でしたが、シエラは栗毛で『この辺りは父親が出ているのでは』と、スタッフは話していました」

 兄との比較でも、より強く感じる父オルフェーヴルの面影。それは、気性面にも表れているようだ。先述のトラックマンが語る。

「シエラの性格については、『多少うるさいところがある』とのことです。ただ、『ある程度、気の強いほうがレースではプラス』と、スタッフは気にしていません。それ以上に『活躍する雰囲気を持っている馬』と、同馬への期待はスタッフの中でも大きいようです」 12月10日の2歳新馬(阪神・芝1800m)でデビューを迎える予定のシエラ。偉大な父母に迫る活躍をすることができるのか。まずは、初陣の走りに注目である。

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