GIチャンピオンズC(中京・ダート1800m)が12月3日に行なわれる。ダート界の頂点を決する一戦とあって、今年も中央、地方交流合わせてGI通算10勝のコパノリッキー(牡7歳)や、昨年の覇者サウンドトゥルー(せん7歳)をはじめ、GI(海外、地方交流も含む)勝ち馬が8頭参戦。この夏の上がり馬も合わせて、超豪華なメンバーが顔をそろえた。

 それだけに激しいレースが予想され、波乱が起きて思わぬ結末を迎える可能性もある。しかも、2014年に現在の中京開催となってから、過去3年で1番人気は2着が1回あるのみ。勝ち馬は、2番人気、12番人気、6番人気と、まさに穴党向きのレースだ。

 そんなレースの傾向を踏まえて、デイリー馬三郎の木村拓人記者は今年のレースの展開についてこう占う。

「追い込み馬が台頭しやすいレースで、今年も前に行く馬が多いことから、昨年の勝ち馬で、前走でも地方交流GIのJBCクラシック(11月3日/大井・ダート2000m)を制したサウンドトゥルーが人気の中心になりそうです。

 ただ、自分で動いてレースを作るタイプではないので、(本命視するには)どうもピンとこない。しかも、この馬の動き出しに合わせてライバルたちが動くとなれば、4コーナー手前からかなり前がかりになる気がします。そうなると、そこで”死んだふり”ができる馬が狙い目になるのではないでしょうか」

 追い込み馬が台頭しやすい理由については、日刊スポーツの太田尚樹記者がこう補足する。

「(追い込み馬が台頭する)要因のひとつとして、関係者からよく聞くのがスタート直後の坂の影響です。中京のダート1800mでは、直線の坂の途中からスタートする形になっていて、これによって発馬でばらつきが出たり、ペースが乱れたりすることが多くなるようです」

 坂の途中からスタートする分、スタートダッシュが持ち味の馬にとっては、いきなり大きな負担を強いられる。それが最後に響いて、レースそのものが消耗戦になりやすくなる一因でもあるのだろう。強力な先行力を武器とするコパノリッキーが、このレースとの相性が極めて悪い(過去3回出走して12着、7着、13着)のも、こうした影響を受けていると考えられる。

 これらのことを鑑(かんが)みて、太田記者は追い込み馬のカフジテイク(牡5歳)を穴馬に挙げる。


強烈な末脚を秘めるカフジテイク

「昨年は、距離を不安視されて11番人気に甘んじていましたが、直線ではひと際目を引く末脚を披露して、勝ち馬からコンマ2秒差の4着まで追い込んできました。この秋の2走は、4着、5着と敗れていますが、2走前の地方交流GIのマイルCS南部杯(10月9日/盛岡・ダート1600m)は、鞍上があえて好位の競馬を試したところ、いつもの伸び脚を欠いてしまった結果。前走のGIII武蔵野S(11月11日/東京・ダート1600m)では、本来の後方待機から最速の上がりをマークしましたが、展開が向かなかっただけ。どちらも敗因ははっきりしていますから、人気を落とす今回は狙い目だと思います」

 好走歴が短距離に集中しているカフジテイク。そのため、距離延長は不安視されるが、むしろそれが人気の盲点になりそうで、木村記者も気になる1頭に挙げる。

「カフジテイクにとっては、確かに1800mはベストよりも微妙に長いと思いますが、スローペースに泣いた武蔵野Sでは『よくあそこまで追い込んだな』と思える脚を見せました。最後の直線まで脚をためられれば、今回も面白い存在だと思います。

 同様に、距離延長がマイナスに見られて人気の盲点になりそうなのは、キングズガード(牡6歳)。僕はこちらに、カフジテイク以上の魅力を感じますね。ダート1800mは、過去に2戦して2着と3着。決して不向きだと思いませんし、前走のGIIIみやこS(11月5日/京都・ダート1800m)でも、”オッ”と思わせる脚がありました。今回は間違いなく消耗戦になるレース。一発長打狙いのこういう馬にこそ、チャンスがある舞台だと思います」

 また、デイリースポーツの大西修平記者も、追い込み馬を推奨する。

「ノンコノユメ(せん5歳)です。前走の武蔵野S(4着)の走りには驚かされました。好位で運んだ馬が上位3頭を独占する中、後方から追い込んで3着馬にはクビ差まで迫りました。最速の上がりタイムは、さらに後方にいたカフジテイクに譲りましたが、約9カ月ぶりの実戦であったことを思えば、かなりの評価に値する内容です。

 距離も2000m戦で勝ち鞍があるように、スタミナ面にまったく不安はありません。叩いて攻めの気配は上向いており、状態は前走以上。鞍上のクリスチャン・デムーロ騎手も、2戦連続3度目の騎乗になるので、今回は一層持ち味を引き出してくれることでしょう。末脚の破壊力だけで言えば、このメンバーに入っても胸を張れる存在です」

 大西記者はもう1頭、急成長を遂げている馬にも注目。今回の穴馬として推す。

「GIIIエルムS(8月13日/札幌・ダート1700m)、海外GIのコリアC(9月10日/韓国・ダート1800m)と、レコード勝ちで連勝中のロンドンタウン(牡4歳)です。海外遠征帰りに加え、久々が嫌われて人気を落とすようなら、絶好の狙い目。4歳春から夏にかけて、以前よりも馬体がたくましさを増して、勝負どころでの反応もよくなりました。それによって、競馬の幅が広がり、自在性が出てきたことで、今の好結果につながっていると思います。成長度では出走馬の中でも屈指の存在でしょう。

 エルムSで負かしたテイエムジンソク(牡5歳)がみやこSを圧勝し、上位人気が予想されます。そのことを考えれば、人気落ちの今回はなおさら馬券的な妙味が増します。中京コースでは勝っていませんが、本格化前のことですから、気にする必要はないでしょう。11月初旬に帰厩後は、順調に乗り込まれており、1週前の調教で好時計をマークしてここまでの調整は万全です。日本ダート界の世代交代を起こすなら、充実一途のこの馬ではないでしょうか」 はたして、尾張・名古屋の砂の中には大穴の”埋蔵金”が眠っているのか。これら穴馬がそれを掘り当てて、我々に高配当を運んできてくることを期待したい。

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