浦項市による感謝ツイート

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(支援物資を送った日本人女性に浦項市がツイッターアカウントを通じて謝辞を述べた)

 11月15日に、韓国の南東部、慶尚北道の浦項(ポハン)市を震源とするM5.4の地震が発生し、市の中心部を始め大きな被害が出ている事は報道の通り。

 日本の大学入試センター試験に相当する、大学修学能力試験が1週間延期されたり、浦項市の小学校が倒壊し耐震偽装問題が持ち上がったり、とある国会議員が文在寅政権の政治に対する「天罰」と言い炎上したりと様々なニュースが届けられるなか、韓国のメディアでは、ある日本人が話題を呼んでいる。

 その人は、愛知県に住む岩田恵氏。

 21日に浦項市災難安全対策本部によれば、ネットニュースにより浦項地震のことを知った岩田氏は、浦項市の公式ツイッターアカウントを通じ、「手助けをしたい」というメッセージを送った。

 岩田氏は、まず浦項市の公式ツイッター上に、地震発生時の行動等を記した写真ファイル64個をあげ、20日にはカイロを240個送った。その他にも、避難所でも簡単に顔や体を拭ける洗顔シートやボディーシートを1箱ずつ送り、簡易トイレも今後1箱送ると言う。

 岩田氏は聯合ニュースのインタビューに対し、「東日本大震災の時、韓国から沢山の支援をもらいありがたかった。韓国には友達も多く、何か出来ることがあれば手助けしたかった」と言い、「(私自身が)直接、大きな災害を経験したことはないが、幼いころ阪神・淡路大震災で避難した親戚を見たことがある」と、支援を決意した背景を語った。

 また「ニュースを見たら、室内なのに厚着をしている被災者の姿を見て、何か温かいものを送らなければと思いカイロを送った」とも教えてくれた。韓国語の勉強を10年以上続け、韓国語が堪能な岩田さんは、市民プログラムの韓国語講座の講師も務めていた。

 このニュースを聞いた韓国国民も、「地震が多い日本の人が送ってくれた支援物資なだけあって信頼感がある。日本人は地震に対する対処法をよく知っている」、「本当にありがたい。多くの日本人は韓国に対する理解もあり、そして優しい」と感謝や感嘆のコメントを寄せている。

◆「朴槿恵政権のときとは大違い」と韓国人が驚嘆したのは……

 この度の浦項地震に際して、話題になっているもう一つのニュースがある。それが避難所の風景だ。地震発生後、7日が経過した21日、9か所ある避難所には温熱マットと簡易テントが設置された。最低気温0度を記録した寒い天候のなか、避難生活を余儀なくされた被災者たちに、政府が緊急で対応したものである。

 このニュースが韓国で大きく報じられたのは、過去の朴槿恵(パク・クネ)政権との対応の違いがあってのこと。2014年4月に起こったセウォル号沈没事故の犠牲者・失踪者家族が、事故現場付近の体育館で日々の生活を送っていたのだが、7か月間ものあいだ、政府からの支援物資は何もなく、24時間付きっぱなしの蛍光灯のもと、布団一式での生活を余儀なくされた。

 当時、韓国国民の中では、東日本大震災で被災した33万人の避難生活者たちが暮らす避難所に、ペーパーパーテーションが設置され、被災者の心理的な負担を軽減した日本政府の対応をあげ、セウォル号犠牲者・失踪者家族の支援をしない政府に反発の声を上げていた。

 今回の震災での政府の対応を受け、韓国国民は、「政権が代わって、やっとテントが支給された」、「政府としては当たり前の対応、なぜ今まで出来なかったのか」と、裁判が遅々として進まない前大統領への皮肉を込めコメントしている。

 文在寅大統領は、「浦項市を特別災難地域に指定し、被害復旧に最善を尽くす」としながら、「余震の恐怖のなかで、家を離れ、一日一日厳しい避難生活をしている浦項と近隣の住民、また受験生の方々を少しでも慰労したい」と語った。<文・安達 夕 @yuu_adachi>