11月26日に行なわれるGIジャパンカップ(東京・芝2400m)。国内最高賞金を誇るレースにふさわしく、今年は注目の対決が実現する。

 GI天皇賞・秋(10月29日/東京・芝2000m)で死闘を演じた1着キタサンブラック(牡5歳)、2着サトノクラウン(牡5歳)という現役最強の座を争う古馬2頭に、今年の日本ダービー(5月28日/東京・芝2400m)を制して3歳世代の頂点に立ったレイデオロ(牡3歳)が挑むのだ。

 すでにこの秋、今年の3歳世代は古馬との混合GIで2勝(エリザベス女王杯=モズカッチャン、マイルCS=ペルシアンナイト)を挙げて、「ハイレベル」という見方が強まっている。そうした状況の中、古馬のトップ2と3歳王者がどんなレースを繰り広げるのか、その注目度はいやがうえにも高まっている。

 とはいえ、上位3頭ですんなり決まらないのが、競馬である。戦前に「3強」と言われたレースにおいて、過去にも何度となく波乱が起こっている。

 ならば、思い切って穴狙いに徹するのも悪くない。そこで今回も、過去10年の結果を振り返って、「3強」に割って入ってきそうなダークホースを探してみたい。

 まず、過去の傾向から注意すべき穴馬候補は”3歳牝馬”が挙げられる。2009年に6番人気で3着となったレッドディザイア、2013年に7番人気で2着に突っ込んできたデニムアンドルビーと、その例は意外とある。

 また、上位人気(3番人気)ではあったものの、2012年には”怪物”オルフェーヴルを、3歳牝馬のジェンティルドンナが下してファンを驚かせた。古馬の牡馬に比べて、負担重量が4kg減となるのは、想像以上の恩恵なのかもしれない。

 こうした例から今年狙えるのは、唯一の3歳牝馬となるソウルスターリング(牝3歳)だ。


ソウルスターリングはジャパンカップで再び輝くことができるか

 古馬戦線に果敢に挑戦したこの秋、GII毎日王冠(10月8日/東京・芝1800m)で8着、GI天皇賞・秋でも6着と振るわず、今回は人気落ち必至な状況にある。しかしながら、3歳牝馬の頂点を極めたGIオークス(5月21日/東京・芝2400m)と同じ舞台に戻って、復活を遂げる可能性は十分にある。

 そもそも今年の3歳世代は「牝馬はハイレベル」と言われ、オークスではダービーよりも2秒以上速い勝ちタイムを記録している。オークス2着のモズカッチャンも、休み明け3戦目で戴冠を果たした。同馬を難なくねじ伏せたソウルスターリングが、同じく秋3戦目にして真価を発揮してもおかしくない。

 また、ジャパンカップでは天皇賞・秋で勝ち負けを演じた馬が人気になりがちだが、そこに加われなかった馬が巻き返すケースも目立っている。天皇賞・秋6着から栄冠を手にした2007年のアドマイヤムーン、同じく6着から勝利を射止めた2014年のエピファネイア、同4着から挽回して優勝した2015年のショウナンパンドラなどがそうだ。

 ソウルスターリングもこれらの馬と同じように、天皇賞・秋で味わった悔しさを、ジャパンカップでは勝利の歓喜に変えるかもしれない。

 改めて、ジャパンカップで穴をあけた馬の傾向を調べてみると、GI好走歴がありながら、近走の不振によって人気が急落していた馬がしばしば激走していることがわかった。

 2011年に3着入線を果たしたジャガーメイルは、前年にGI天皇賞・春(京都・芝3200m)を勝っていたが、その後は勝ち負けを争うことがなく、前々走のGII京都大賞典(京都・芝2400m)で4着、前走の天皇賞・秋でも9着と惨敗。おかげで、ジャパンカップでは14番人気にまでその評価は急落していた。

 2013年に3着となったトーセンジョーダンも、2年前の天皇賞・秋を制覇し、続くジャパンカップでも2着と好走。1年前の天皇賞・春でも2着と結果を残していたが、その後がさっぱりだった。直近のGII札幌記念(函館・芝2000m)で13着、天皇賞・秋でも11着と凡走を続けて、11番人気の低評価だった。

 さらに、2015年の2着ラストインパクトも、それらに近いタイプ。GI勝ちはないものの、重賞戦線で活躍し、その年の春には天皇賞・春で4着と奮闘した。しかしその後、札幌記念で6着、天皇賞・秋で12着と惨敗を繰り返して、7番人気にとどまった。

 今年もこれらに似た馬がいる。サウンズオブアース(牡6歳)である。

 昨年のジャパンカップの2着馬で、それ以外にも2014年のGI菊花賞(京都・芝3000m)、2015年のGI有馬記念(中山・芝2500m)と、GI2着が3回ある。その実績は申し分ないが、昨年のジャパンカップ以降は調子を落として、直近2走も札幌記念(8月20日)4着、京都大賞典(10月9日)13着と馬群に沈んできた。

 そんな近走の結果から、今回はかなり人気が落ちるだろう。それでも、GI実績のある馬が、ジャパンカップで”一瞬の輝き”を取り戻すことが前例として頻繁にあったことを思えば、軽視は禁物だ。

 ちなみに、同馬は昨年同様、京都大賞典からの参戦となる。昨年のジャパンカップでは、勝ったキタサンブラックとともに、京都大賞典組がワンツーを決めた(京都大賞典ではキタサンブラック1着、サウンズオブアース4着)。

 天皇賞・秋からの参戦に比べると、ゆったりとしたローテーションで臨めるため、仕上げにおいては万全の態勢を整えられるはず。その点も、プラス材料となるのではないだろうか。

 最後に、今後のジャパンカップの”穴馬傾向”になりそうな、その京都大賞典組に注目して、穴馬候補をもう1頭挙げたい。

 シュヴァルグラン(牡5歳)である。

 同馬は、今春の天皇賞・春でキタサンブラックの2着と好走した。だが、続くGI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)では8着と大敗。さらに、休み明けの京都大賞典では1番人気に推されながら3着に敗れた。

 その結果と強力メンバーが集う今回は、上位に推されることはないだろう。それでも、京都大賞典組の躍進が見込まれる中、ここで一発あっても不思議ではない。 東京・芝2400mという王道の舞台で行なわれる最高峰の一戦。「3強」の隙を突いて上位に食い込む馬はきっといるはずだ。ここに挙げた穴馬たちの大激走を期待したい。

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