今週末11月26日、東京競馬場では3歳以上によるGI・ジャパンカップ(芝2400m)が行なわれる。

 昨年の勝ち馬であり、GI天皇賞・秋(東京・芝2000m)でGI6勝目を挙げた現役最強馬キタサンブラック(牡5歳・清水久詞厩舎)が最大の注目馬と言えるが、1着賞金3億円というGI中のGIレースだけに、海外を含めGI馬9頭と現役のトップクラスが揃い、ハイレベルの戦いが期待される。


前走の天皇賞・秋でキタサンブラックに食い下がったサトノクラウン(右)。逆転はあるか

 そのなかから前走の天皇賞でキタサンブラックに次いで2着となったサトノクラウン(牡5歳・堀宣行厩舎)に注目してみよう。サトノクラウンはキタサンブラックと同期で、同じようにデビューから3連勝。GIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)、GII弥生賞(中山・芝2000m)の2重賞を制し、GI日本ダービーでも3着となった。しかし、3歳秋のGI菊花賞を制してトップホースの仲間入りをしたキタサンブラックに対し、GI勝ちは4歳暮れの香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)とかなり出世は遅れた。


 とはいえ、そのレースで破ったハイランドリールは前年の同レース勝ち馬で、英GIキングジョージ6世&クイーンエリザベスS、米GI のBCターフなど、世界各国のビッグレースを勝利していた絶対的存在。その馬を負かした走りは世界的にも大きなインパクトを残し、一躍、世界に名を知られる存在となった。2016年のロンジンワールドベストレースホースランキングでも、123ポンドの評価を与えられ、キタサンブラックと並ぶ世界12位にランクされている。

 今年、5歳となったサトノクラウンは衰えを見せず、休み明けの京都記念(2月12日/京都・芝2200m)を連覇。続くGI大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)はマイナス12kgの馬体減が響いたか6着に敗れたが、キタサンブラックが1.4倍の圧倒的人気を集めていたGI宝塚記念(阪神・芝2200m)で国内GI初勝利を飾っている。そして、それ以来の再戦となった前走の天皇賞・秋では不良馬場の中、キタサンブラックをクビ差まで追い詰めての2着に好走してここに向かう。

 サトノクラウンがジャパンCに出走するのは初めて。2400mでは2戦し、2015年の日本ダービーでドゥラメンテから0秒3差の3着。上がり3F(ハロン)はメンバー中最速の33秒8を記録し、14着キタサンブラックに先着している。もう1戦が前述の香港ヴァーズ。良馬場で勝ちタイムは2分26秒22というものだった。距離に不安はないし、東京コースでも東京スポーツ杯2歳Sなど2勝を挙げ、日本ダービー3着、天皇賞・秋2着と好走歴がある。条件は申し分ないと言えるだろう。


 血統を見てみよう。父マルジュは英GIセントジェイムズパレスS(芝約1600m)を勝ったマイラーで、母の父ロッシーニも仏G競蹇璽戰襯僖僖鷯沺兵1100m)勝ち馬というスプリンター。全姉ライトニングパールは英G汽船Д凜.蝓璽僉璽S(芝約1200m)の勝ち馬だ。血統的には短距離寄りのマイラーのイメージだが、サトノクラウンの競走成績はイメージと大きく異なるものとなっている。サラブレッドは必ずしも血統のイメージ通りに走るわけではないし、気性や育成方法によって、さまざまな条件に適応できる馬も出るので、この馬については今さら血統から距離適性などを論じる意味はないだろう。

 ただ、見方を変えると父マルジュの産駒には1999年ジャパンカップ2着のインディジェナス(香港調教馬)が、母の父の父ミスワキの産駒には1994年の勝ち馬マーベラスクラウンがいて、ジャパンカップには縁のある血統と言える。”特定のレースに相性の良い血脈”というのは存在するので、ここはそれに乗ってプラスに考えてもいいだろう。

 3歳時、4歳時の天皇賞・秋は17着、14着といずれも大敗していたが、今年は僅差の2着に健闘しており、これまでよりいい状態で秋を迎えているのは間違いない。サトノクラウンがキタサンブラックを破って3つ目のGI制覇を飾る可能性も十分だろう。注目したい。

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