ダルビッシュ有投手(イラストはレンジャーズ時代)

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米メジャーリーグ(MLB)のワールドシリーズ(WS)は熱戦の末、2017年11月1日(現地時間)にアストロズが初制覇した。先発登板したドジャースのダルビッシュ有投手(31)は、2回途中5失点でマウンドを降りた。

試合中、ダルビッシュに対して人種差別的な言動を取ったアストロズのグリエル選手が謝意を示す場面もあった。寛容な態度で応じたダルビッシュだが、自身が同様のポーズをとる写真が発見された。これについて本人は...

レンジャーズ・ペレス投手と「冗談で」

グリエルは10月27日のWS第3戦でダルビッシュから本塁打を放った後、ベンチで両目を指でつり上げるポーズをし、アジア人の蔑称「chinito」と口に出した。その後グリエルは事実を認めて謝罪し、来季開幕から5試合出場停止処分を科せられた。ダルビッシュは試合後に「完全な人間はいない」などとツイートし、寛容な態度を取っていた。

ダルビッシュの大人な対応には称賛の声もあがったが、レンジャーズ時代にチームメイトのペレス投手と「つり目」ポーズを見せ合いっこする写真が発見された。ペレスは背を向けており、ダルビッシュも帽子で目元が隠れていることから表情は読み取れないが、両手をそれぞれ目の端に添えているのは確かだ。

これを知ったツイッターユーザーはダルビッシュに直接、ポーズの意図を問いただした。ダルビッシュはこれに対して、「チームメイト同士だと冗談でやったりします」と返信。どのチームでもそうだと思うと見解を示し、「いくら言ってもやめてもらえないのが現状」と明かした。

そのうえで、「自分は両目を外に引っ張るのではなく鼻に向かって縮めています」と釈明した。反対の動作をすることで「皮肉」を利かせているのだという。

元アストロズ・青木も「1回はあると思う」

ダルビッシュによると、信頼関係のもとでは「やっていいような風潮」があるといい、差別の意識はないという。

「特にラテン系の選手はコミュニケーションの一部にしている感じだと思います。文化の違いですかね」

と異文化を受け入れる姿勢をみせた。過去アストロズに在籍した青木宣親選手がグリエルに同じポーズをされたかは分からないが、「MLBで長くプレーしているので1回はあると思いますよ」ともツイートした。

世界一を逃したことについては、「最後は最悪な終わり方をしてしまいました」と振り返り、「しっかり糧とし、また成長できるように頑張ります!」と決意を新たにした。さらに応援に感謝し、「ワールドシリーズでやり返します」と誓った。