「ちっちゃい幸せの積み重ね」――中井和哉が声優を続けていられる理由

「声優という職業はいま、分岐点に差しかかっている」
- 声優というお仕事についてのお話もうかがっていきたいと思います。最近は声優ブームと言われているように、声優さんが表に出る機会も昔に比べて多くなってきたと思うのですが、中井さんがいま現在思う「声優」って、どんなお仕事でしょうか?
- 難しい質問ですね(笑)。んー……「分岐点に差しかかっている仕事だな」とは思いますね。最近は「俳優の○○さんが、声優に初挑戦!」っていうニュースが多いですが……昔はそれって、「この方が、ゲストとして来てくれました!」みたいな感じで、あくまで“ゲスト”という扱いだったんですね。
- 最近は、俳優の方が声優として主演される作品も増えてきています。
- そうですよね。「この方に主役をお任せしましょう」って、全然めずらしくもなんともなくなっていて。そうやってできた作品が、「いかにも声優業に慣れてない人がやってる感じだよね」ってなるのかと言ったら、そういうことでもない。であるならば……正直な話、タレントさんやアイドルさんが主演をされたほうが、話題になるわけで。
- たしかに、そうなのかもしれません。
- じゃあそこで……いわゆる「声優」と名乗っていて、本来顔は出さない、声だけでお芝居している人たちがやることは何だろうか? と考える分岐点にきているんだなっていう気はしますよね。僕らが「歌手でも、顔出しの俳優でもありません。声優です」と名乗る意味みたいなことを……ちゃんと示していかないといけないだろうなと思います。「声優がいろんな分野に進出!」と言いますが、その渾然一体となった先に、さあ何があるんでしょう? って、僕はすごく思っちゃうんで。

- なるほど。
- 若い人たちは、僕らおっさんみたいに固い頭で考えるんじゃなくて(笑)、「これもやりたいし、あれもやりたい」って思えるんでしょうけれど……僕らおっさんはこれからどうすればいいのかというのを、地に足つけて、ちゃんと考えておかないと大変だなあと思いますね。
- 声優として活動されているなかで、「中井和哉として、ここは絶対ブレない」といったものはありますか?
- ないです。
- ないのですね…?
- んー、何ていうのかな? 僕は前からずっとそうなんですけど、基本的には僕にできること…「これは中井がお仕事として請け負えるものだと思います」っていうことはやらせていただいてますが、「これでギャラが発生したら、絶対にダメだろう」みたいなことに関しては、あまり近寄らないようにしているんですね(笑)。だから……とくに信念を持って、「これが声優だ、これが中井和哉だ!」みたいな感じでやっているわけではなく、「責任の持てる道しか歩きません」っていう感じなんです。

これまで「現れた人を倒してきた(笑)」からこそ演じたい役
- たとえばいま現在、声優を目指している人たちへアドバイスするならば、「声優になるために必要なもの」って何でしょうか?
- うーん……僕が声優になったばかりの頃だったら、ほかの答えもあったのかもしれませんが、いまだったらとにかく、「自分には才能がある」と信じ抜く心じゃないですかね。
- というのは?
- いまの声優業界って、どこがフィーチャーされて、どこにスポットがあたって、「この声優を使ってみよう」ってなるのか、本当にわからないので。そんななか、自分で「ああ、俺はダメだ」、「私は無理だ」って思ったら終わりですけど、「私はこういう面を持っているんだから大丈夫」って信じる力があれば……どうにかなるわけではないですけど、少なくとも、それがないとダメなんじゃないかなって思います。

- 声優さんのお仕事の現場には、いろんな年代の方がいらっしゃると思うのですが、後輩の方たちとどのようにコミュニケーションを取られているのでしょうか?
- これは……悪い人に聞きましたねえ。コミュニケーションを取るのが超苦手の僕に聞くなんて(笑)。
- いえいえ、多くの声優さんに慕われている印象があります。
- ないですよ(笑)。まあ、そんなに偉そうにしたり、怒ったりしているつもりはないですね。でも、慕われてるわけではないと思いますよ(笑)。そうですねえ……コミュニケーションに関して、僕はあまり偉そうなことは言えないですね。自然といるだけです。
- 「コミュニケーションが苦手」とおっしゃる声優さんが多いのですが、一方で、お芝居にはどうしたってコミュニケーション能力が必要になってきますよね。
- そうですね。でも、役柄上のコミュニケーションは別物ですからね。何というか……ワイワイしゃべりかけてくれる人とお芝居で絡んだときに、必ずしもうまく絡めるかといったら、そういうわけでもなくて。「あの人と、プライベートではあんまりしゃべらないんだけどなあ」って思っても、お芝居で掛け合うとすごく……っていま偉そうなことを言っていますね。 絶対ダメだこれ(笑)。

- ダメじゃない範囲内で教えていただけますか?(笑)
- 現場で必要なチームワークって、仲良しだったらOKっていうわけではないと思うんですよね。少なくとも、僕がお邪魔している現場はプロフェッショナル同士のつながりであって。「この人とならちゃんとやれるな」というのがベースにある人たちとのつながりなんです。もちろん、みんなで飲みに行ったりもしますが、そこから始まるものではない……かな? 僕の場合は。
- そんななかで、声優を続けていられる理由はどこにあるのでしょうか?
- それはもう、ちっちゃい幸せじゃないですかね。あの人と絡んだときのあの芝居が、自分でも「ふふ」って笑っちゃうような……面白いと思えるものができたときは嬉しいです。そういうことの積み重ねじゃないかと思いますね。もちろん、たくさんの人に見てもらって、日本中が大ブームに沸いてます! っていうのも……そんなに幸せなことはないですが、それってもう幸運なので。「俺、ちょっと頑張ったんだけど、どうだろう?」とか、「ちょっとした成果が出てるかも」っていうのがチラチラと確認できれば、それは嬉しいですよね。

- 長く声優のお仕事をされてきている中井さんに、いまさらお聞きするのもおこがましいのですが、今後やってみたい役などはありますか?
- んー。どうだろうなあ……これまで、恋愛に比重が置かれていないキャラクターばっかり演じてきているんですよね。目の前に現れた人は倒してきたので(笑)。目の前の人を好きになるような…ちゃんと人を愛せる役を演じてみたいなと思います。
- 中井さんにお話をうかがえるチャンスを逃すまいと、今日はたくさん質問を用意してきたのですが……では最後に、ご自身の性格を一言で表すと?
- ははは! えー、一言でですか? んー、めんどくさがり屋です。本当、僕はだらしなーく生きてるんですよ。めんどくさいことを回避するために、いろいろ考える(笑)。そういう人です。
- インタビューを通して、中井さんの知られざる一面がたくさん垣間見えました。ありがとうございました!
- インタビューがこんなんでいいのかな? なんか……すみません(笑)。

- 中井和哉(なかい・かずや)
- 11月25日生まれ。兵庫県出身。A型。1995年に声優デビュー。1999年には、TVアニメ『ONE PIECE』のロロノア・ゾロ役に抜擢される。主な出演作に『銀魂』(土方十四郎)、『戦国BASARA』シリーズ(伊達政宗)、『青の祓魔師』(勝呂竜士)、『血界戦線』(ザップ・レンフロ)など。アニメだけでなく『スッキリ』(日本テレビ系)や『アッコにおまかせ!』(TBS系)など、多くの報道・情報番組でナレーションをつとめる。
出演作品
- 映画『DCスーパーヒーローズ vs 鷹の爪団』
- 全国ロードショー中!
- http://dc-taka.com/
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— ライブドアニュース (@livedoornews) 2017年10月30日- 受付期間
- 2017年10月30日(月)17:00〜11月5日(日)17:00
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