今週末10月29日、東京競馬場では3歳以上馬によるGI天皇賞・秋(芝2000m)が行なわれる。

 秋の古馬中長距離GIの幕開けとなるこのレース。今年も多くの実績馬が揃い、キタサンブラック(ジャパンCなど5勝)、サトノアラジン(安田記念)、サトノクラウン(香港ヴァーズなど2勝)、ソウルスターリング(オークスなど2勝)、ネオリアリズム(クイーンエリザベス2世C)、マカヒキ(日本ダービー)、リアルスティール(ドバイターフ)、ワンアンドオンリー(日本ダービー)と、実に8頭ものGI馬が出走する。今回はその中から、春のグランプリホース、サトノクラウン(牡5歳/堀宣行厩舎)にスポットを当ててみよう。


春のグランプリ、宝塚記念を制したサトノクラウン

 同馬は2歳時のデビューから3連勝でGIII東京スポーツ杯2歳S(東京・芝1800m)、GII弥生賞(中山・芝2000m)を制したエリート。3歳クラシックのGI皐月賞は1番人気に推されながら6着、GI日本ダービーは3番人気で3着と敗れたが、4歳となった昨年に素質が開花した。2月にはGII京都記念(京都・芝2200m)で約11カ月ぶりの重賞勝ちを果たすと、暮れのGI香港ヴァーズ(シャティン・芝2400m)では前年の勝ち馬で、GI BCターフ(サンタアニタ・芝2400m)やGIキングジョージ6世&クイーンエリザベスS(アスコット・芝2400m)などを制していた名馬ハイランドリールを下し、GI初制覇を果たしている。

 今年に入ってからも京都記念(2月12日)を連覇。GI大阪杯(4月2日/阪神・芝2000m)では6着に敗れたが、GI宝塚記念(6月25日/阪神・芝2200m)では圧倒的人気のキタサンブラックが9着に大敗するなか、中団追走から力強い伸び脚を見せて差し切り、国内では初となる、GI2勝目を挙げている。

 今回はそれ以来の出走。このレースは過去2年連続出走しているが、2年前は17着、昨年は14着と大きく敗れている。過去2回とも4カ月以上の休み明けで、今回も昨年と同じく宝塚記念からの参戦となる。

 ただ、昨年までと違うのは、もちろん大きく力をつけたこと。昨年の天皇賞・秋以降はGI2勝を含む4戦3勝の好成績を残している。敗れた大阪杯は馬体重が12kg減って元気もなかっただけに、今回も馬体重はチェックしたい。昨暮れから今年の間で勝利しているレースは484kg〜490kgで出走しており、468kgでデビュー勝ちした2歳時に比べ、だいぶ馬体も成長している。前走の488kgから大きく変わらない馬体重で出てくるのが理想だろう。

 今秋のサトノクラウンは香港へは向かわず、国内に専念することが表明されており、となると種牡馬入りした時の評価を考慮し、スピード能力をアピールできる2000m戦のタイトルが欲しいはずだ。

 血統は、父マルジュが芝8F(ハロン、約1600m)の英GIセントジェイムズパレスSを勝っており、全姉ライトニングパールも芝6F(約1200m)の英GIチェヴァリーパークSの勝ち馬と、中距離よりむしろ短距離〜マイルをイメージさせる。すっかり2200〜2400m戦に強いイメージになっているが、2000mに距離短縮されても上位争いできる血統背景は持っている。

 東京コースは5戦2勝3着1回。近2走の天皇賞・秋で連敗しているが、芝1800mの新馬戦、東京スポーツ杯2歳Sを勝ち、日本ダービーでも3着に入っているようにコース適性自体に不安はない。

 あとは、馬場状態も重要なファクターになりそうだ。週末はまた台風接近との予報もあるし、東京コースは先々週が重馬場、先週が不良馬場と、道悪馬場が続いている。馬場もかなり荒れているはずで、良馬場で行なわれたとしても時計のかかるレースになる可能性が高い。他の有力馬が道悪の実績に乏しいこともあり、重馬場で1勝、稍重で3勝を挙げているサトノクラウンにとって、馬場が渋るのは歓迎だ。

 鞍上は先週のGI菊花賞をキセキで制したミルコ・デムーロ騎手。2週連続でデムーロ騎手がGI勝ちを果たすか注目したい。

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