森重樹一“日本音楽集団”のサプライズに首をかしげる

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ZIGGYが10年ぶりとなるニューアルバム『2017』(ニーマルイチナナ)を10月25日にリリースした。今年3月にシングル『CELEBRATION DAY』で待望の復活を果たし、併せて行われた春のツアーでは各地でSOLD OUTを連発、この夏公開されたミュージックビデオ『うたた寝の途中』では衝撃のウェディングドレス姿を披露、YouTubeで展開中の動画では数々の企画に挑戦するロックレジェンドの新作に注目だ。

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現在、ZIGGYはオリジナルメンバーの森重樹一(ボーカル)を中心に錚々たるサポートメンバーからなる。デビュー30周年をきっかけに新たな挑戦をして欲しいと願うスタッフやファンのリクエストにより、その森重がさまざまなことを体験する話題の動画『ZIGGY森重樹一の11の挑戦!』の第4弾も公開された。これまで「ソバ打ち体験」「ボルダリング」「下北で買い物」とチャレンジしてきたが、今回はなんと和楽器の演奏に挑戦してミュージシャンならではのポテンシャルを発揮する見どころ満載の企画となった。

日本屈指の和楽器オーケストラ“日本音楽集団”の琵琶奏者、三味線奏者、箏奏者に加えイケメン尺八チームに迎えられた森重樹一。“日本音楽集団”の成り立ちを聞いて「斬新な集まりで、歴史も長い」ことに感心する。自身は中学校でギターを本格的に弾きはじめバンドで歌うようになっただけに「こういう楽器はあまり目にしないのですごく新鮮ですね」と興味津々である。楽器の説明を受けて実際に音を出してみた後に、現代邦楽曲の演奏を目の当たりにして「うおー、凄いスリリング、キメごとがすごくたくさんあってまさにアンサンブルという感じ」と唸る。

尺八四重奏には「尺八という楽器のイメージとは全然違うダイナミックスがあってびっくりしました」「すげえかっこいい、想像したこともなかったけどこういう風になるんだ」と目を見張るが、彼が挑戦したのは箏による『春の海』の演奏だ。袴姿となり雰囲気もバッチリで練習に入ると集中力が素晴らしく、教えることをすぐに飲みこむので先生も体得の速さに「すごい」と驚いていた。この『春の海』はお正月などによく耳にする邦楽のスタンダードナンバーではあるが、そう簡単に弾けるものではない。

限られた時間でさわりのフレーズを弾けるようになった森重は、尺八と合奏で本番に入る。緊張のなか弾き終えると「これやっぱり走るね!」とバンドでいつも自分が注意していることを振り返り「すいませんでした」と笑わせるが、短時間でチャレンジを成功させた彼に惜しみない拍手が送られた。

しかしそれで終わりではなかった。「最後にもう一曲用意をしておりまして…」と“日本音楽集団”メンバーによって演奏されたのは、ZIGGYの大ヒット曲『GLORIA』である。ロックバンドとは違うアンサンブルながら見事に歌を乗せる森重に、奏者たちからも笑みがこぼれて楽しそうだ。両者が音楽活動してきたなかでこうした体験は初めてと思われ、歴史的なコラボと言えるだろう。

ZIGGYのニューアルバム『2017』で息の合ったバンドメンバーを従えた森重樹一のボーカルは、ハードなR&Rからじっくり聴かせるバラードまで「水を得た魚」のように表現力豊かである。その歌声に邦楽器とのコラボでも魅了する彼ならではの破壊力を再確認させられた。

(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)