名波監督は「新潟のほうがアグレッシブにやっていた」とアウェーチームを評した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ30節]磐田2-2新潟/10月21日/ヤマハ
 
 土壇場の同点弾で勝点1を得た新潟戦後、磐田の名波浩監督の表情はやや曇っていた。
 
「新潟のほうがアグレッシブにやっていたし、相手のゴールに向かってくる姿勢が圧力となって、我々は自分たちで苦しくしてしまった」
 
 先制点を奪われた前半は1-2。試合終盤にセットプレーで追いついたものの、90分を通してみれば新潟に押されていた印象もある。J2降格の危機がアウェーチームの士気を高めていたとはいえ、最下位相手の苦戦に指揮官が納得できないのは当然だろう。
 
 とりわけ、流れのなかからの崩しに変化がなかったのは気になったようだ。
 
 大井健太郎を前線に上げて「パワープレー気味になった80分手前から相手を押し込んではいた」ものの、「もう少し頭を使ってサイドからの突破」を仕掛けられる場面もあった。中村俊輔、ムサエフ、川辺駿という「今シーズン、フィールドの中央で力を発揮してくれた3選手」を代えた影響が出たのかもしれない。
 
「我々はまだまだ上のグループに行けるような力はないですし、まだまだチームとして足りないところを、みんなで補わなくてはいけない」

 磐田は勝点1を加えて6位をキープしたが、新潟戦で勝点3が獲れていれば、ACL出場圏内の3位・C大阪に勝点差1まで肉薄できた。そのチャンスを逃した悔しさが、指揮官の言葉からにじみ出ていた気がする。

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