クリスティ・ターリントン(Christy Turlington) photo : Getty Images

ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ行為が発覚したのをきっかけに、ハリウッドでは様々な形のハラスメントが告発されている。ファッション界の現状をクリスティ・ターリントンが明かしている。

90年代に活躍した元祖スーパーモデルの1人、クリスティ・ターリントン。雑誌『WWD』のインタビューの中でファッション界のセクハラの実態について語っている。

ハーヴェイ・ワインスタインの事件が明らかになってから「ずっとこのことを考えていた」というクリスティ。「ファッション業界ではハラスメントと虐待が行なわれていることは広く知られていることだったし、みんなが耐えていることだった。この業界には、絶えず続く拒絶と孤独を食い物にしている搾取者に溢れている。だから私たちの多くが、キャリアのある時点でハラスメントを経験するの。私はトラウマになるような経験をしなかったことを幸運に感じている。でもそれが通常のことではないことも知っている」と語っている。

「今の若いモデルたちはどうやって自分の身を守るべきだと思う?」と聞かれたクリスティ。自分がモデルとして活躍していた頃の「古いタイプの男性たち」が今もいるのかわからないとしつつも「業界は若い女性や男性のためにもっと予防策をとることができると思う。ファッション業界は、エンタメ界の中で強い組合を持っていない業界。労働時間や撮影テーマの適切さ、スタッフの行動をセットで監視する人もいないし、指導者も要求されていない。規則が破られた場合の罰則もない」と問題点を指摘。さらに「私たちは女の子や男の子たちに対して、生活のあらゆる場所で自分たちを守り、搾取する人から防御する方法を教えなくてはいけない。セクハラはどこでも、いつでも起こりうるのよ」とも。

ワインスタインの事件をきっかけに、セクハラを告発することの重要さが主張されているアメリカ。ファッション界からも声が上がるのか、今後の動きを見守りたい。

text : Yoko Nagasaka