探偵歴10年以上、浮気調査に定評があるリッツ横浜探偵社・山村佳子が目撃した、男と女の浮気事情をご紹介。

パートナーがいる男女の恋愛の詳細を、美人探偵・山村佳子がその事件簿から解説します! 

浮気がバレた後の夫婦関係、浮気調査のポイントはどこなのかもご紹介。

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今回の依頼者様は、中村嘉男さん(仮名・35歳)。大手不動産会社に勤務するエリート男性です。歌舞伎俳優の尾上松也さんに似ている美男子で、下から名門校出身、一族には明治維新でご活躍なさった方の末裔がいるそうです。

小柄な身長、鍛えられたボディーに、ダークネイビーのスーツがよく似合います。黒いビジネスシューズも磨き込まれています。靴を脱ぐときに、丁寧に靴ひもをほどいていました。

私達のカウンセリングルームには、フランスブランドの黒いツイード素材のスーツをお召しになったお母様と一緒にいらっしゃいました。

このお母様が本当につまびらかにお話になる方で、依頼者・嘉男さんの奥様と離婚させたいという執念が、3Dになって襲いかかってくるようでした。まずはお母様から概要を伺います。

「この子があの嫁と知り合ったのは、5年前で、嫁がPR会社に勤務していた頃なんです。合コンとやらで知り合って、一目ボレ。結婚したいというから、私達も嫁のことを調べたんですよ。するとなんて言うんでしょうかね……嫁は若い頃も今も相当やんちゃをしていて、まあ、それはそれは素行がひどくて……」

母が言いかけた後、「そのへんにしておいて」と静止した後、どうなったか

「妻は男性からモテるというか……結婚して4年になるのですが、今は派遣社員として働いています。私には給料とは別に、月200万円程度の不動産収入があるので、専業主婦になってもいいと言っているのに、“私は働きたいの!”と言うことを聞かないんですよ。朝早くから深夜まで家を出ることが多くて。理由を聞くと“残業しているの”と怒るんです」と嘉男さんは語ります。

話を遮るように、お母様が「それなのにこの子は結婚するときに約束した、毎月100万円のお小遣いを渡し続けているんですよ」と言い、嘉男さんとの間で親子ケンカが勃発。20分ほど言い争っていました。

そこで分かったことは、3つ。嘉男さんは美人の奥様に未練があるのだということ。しかし、一族全員は奥様との結婚生活の継続に猛反対していること。お母様は“離婚=人生の失敗”と考えており、大切な息子をバツイチにさせそうになっている嫁が憎くてたまらないということです。

「妻と一緒にいると、自由な気持ちになれるんですよね。自分に給料が出ると、僕の好きなワインを買ってくるなど、羽振り良くしてくれて、基本的に優しい。たぶん、僕の一番の理解者なんじゃないかなと思います」

嘉男さんは子どもの頃からワンコが大好きで、今飼っている5代目のフレンチブルドック・太郎にも、奥様は優しくしてくれるのだそう。

「僕がお小遣いを渡すと、ワンコ用のスパやマッサージを予約して、犬に贅沢させてあげるのも彼女が初めてでした。母は妻を悪く言いますが、そういう優しいところも、可愛いところも大好きなんですよ。でも今、気になっているのは彼女が妊娠したみたいなんですよね。何も言わないのですが、気持ち悪そうにしているし、あれだけ体形に気を付けていたのに太り始めているし……」

これはお母様も初耳だったらしく、絶句していました。あれほど固まった人を初めて見たというくらいのフリーズっぷり。

「ちょっと!嘉男ちゃん、あなたね、そんなの別の男の子どもに決まっているじゃない。すぐに病院に行きなさい。私は絶対に認めませんよ。私は知っているんだから!あなたには言わなかったけれど、この前、渋谷に行ったときにあの女がホテル街に別の男と消えていくのを見たのよ!!絶対に許さないから。探偵さん、お願いです。あの女の浮気の証拠を取ってきてください。お金も充分わたしたし、放り出してやりますよ」

「ママ!なんだよそれ。僕に言ってよ!」と、応酬する嘉男さん。再び親子の言い争いになりました。

結論として、奥様の休日出勤を狙って、調査に入ることにしました。

奥様は気温が下がっても露出が高い服を着ることが多いとか……。

※本連載はプライバシーに配慮し、体験内容を変えない程度に一部書き換えています。

嫁を追い出したい母親、未練の息子……妊娠中と思しき妻は、誰の元へ?〜その2〜に続きます。