ギレルモ・デル・トロ(Guillermo del Toro) photo : Getty Images

次々と明らかにされるセクハラやパワハラに揺れているハリウッド。メキシコ出身の映画監督ギレルモ・デル・トロがハリウッドの大物たちについて痛烈な意見を述べている。

ギレルモ・デル・トロ監督は、現在フランスのリヨンで開催されているルミエール映画祭に参加中。スペインで映画『パンズ・ラビリンス』などの名作を生み出しつつ、ハリウッドで映画『ヘルボーイ』や『パシフィック・リム』などのエンタメ大作も監督しているギレルモ。映画祭の公開レッスンではハリウッドの実力者たちについて「金を持っている奴はみんなクズ野郎」と痛烈なコメントを披露!

さらに「彼らは過去を振り返り、安全な場所に留まりたいと思っているんだ。映画監督たちは前に進みたいと思っているのにね。僕たち映画監督も大失敗することがある。それは僕たちもクズ野郎だからだ。でも僕たちはクレイジーなクズ野郎なんだ」。

作品作りに関して妥協はしないというギレルモ監督。「容赦ない態度を取らなくてはいけないこともある」とセットで冷静さを失ったことが何度もあると語っている。また監督が得意とするファンタジー映画は「映画の中で、最も消しがたいイメージを与えてくれる」とも。たとえそれが素晴らしい作品でなくても関係ないとか。「ひどい映画が僕の人生を救ってくれたこともあったよ」。

セクハラ事件で、ハリウッドに対する失望感が広がる中、映画を愛するギレルモ監督のこの言葉は大きな救い。監督のいう「クズ野郎」たちが、セクハラやパワハラに負けず、もちろん加害者にもならずに名作を生み出してくれることに期待したい。

text : Yoko Nagasaka