ついに本気のヤクルト、広島連覇の立役者を獲得へ。宮本慎也に加えサプライズ人事なるか

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“燕流規制”を大幅緩和、石井・河野両コーチ獲得へ


 いよいよ本気になったということか。
 
 東京ヤクルトスワローズの来季新体制が急ピッチで固められている。現シニアディレクターで前監督の小川淳司氏が新監督へ就任。さらに大物OBの宮本慎也氏もヘッドコーチとして4年ぶりに古巣へ復帰することが正式に決まった。
 
 今季は球団ワースト記録を更新する屈辱の96敗を喫し、ダントツの最下位に沈んだ。さすがに危機感を覚えた上層部は小川氏のプッシュもあって、一時軋轢もウワサされた宮本氏の招へいを二つ返事で容認するなど、それまで頑なだった“燕流レギュレーション”を大幅に規制緩和した。
 
 これだけに留まらず、ヤクルトはさらなるサプライズへと動き出していた。広島東洋カープから今季限りで電撃退団することが決まった石井琢朗打撃コーチと河田雄祐外野守備走塁コーチのダブル獲得を目指し、水面下で調査中というのだ。
 
 しかも複数のメディアで「濃厚」と報じられており、広島のポストシーズンでの戦いが終了次第、ヤクルト側から正式に発表されそうな雲行きとなっている。つい数週間前までは正直予想も出来なかったような流れが今、現実に起こって具体的に固まりつつあるのだ。
 
 ここまで石井コーチも河田コーチも家族を東京近郊の実家に残し、広島での単身生活を営みながら黙々とコーチ業を続けている。しかし2コーチは退任発表会見でも述べたようにチームが球団史上2度目のリーグVを果たしたことで、ある程度の役目を終えたと感じたようだ。これからは家族となるべく離れ離れにならない生活スタイルに戻りたい。
 
 そういう2人の希望を叶える受け皿として東京の神宮球場を拠点に置くヤクルトが名乗りを上げたのである。

「外様」コーチ招へいでチーム再建へ


 小川新監督も宮本ヘッドもOBだが、石井コーチと河田コーチはヤクルトに在籍経験のない完全な「外様」だ。これまで首脳陣の組閣も外部からの招へいを積極的には行わずに独特のファミリー体質を貫き続けてきたヤクルト上層部は、今季の無様な低迷を猛省して方針転換。有能な指導者を外部から呼び寄せることで、地に堕ちたチームの再建を図ろうとようやく重い腰を上げた格好だ。
 
 どちらかと言えば小川新監督は「静」で、宮本ヘッドコーチは「動」のタイプ。それだけにこの2トップでは方向性も相反していることから「衝突してしまうのではないか」との懸念もあった。
 
 しかし、広島で“練習漬けの鬼コーチ”として定着している石井コーチと河田コーチが仮に来季からスタッフとして加われば、チーム方針もユルフンまがいのソフト路線ではなくスパルタのギリギリ一歩手前の「ハード路線」として完全に一本化されるに違いない。
 
 今季も含めた広島の連覇が石井コーチと河田コーチの指導力があったからこそと評されているのはプロ野球界の有識者ならば、その大半が知っている話である。だからこそ今やすっかり腑抜けになってしまったヤクルトの選手たちを心身の両面からビシビシと叩き直すため、新スタッフとして2人はまさに打ってつけの存在と言えるだろう。

新コーチ陣に主力選手は戦々恐々


 宮本ヘッドコーチの就任決定に加えて石井氏、河田氏も招へい濃厚となっているニュースを耳にしたヤクルトの主力陣は、早くも震え上がっていると聞く。いいことだ。どんどんビビッて今から覚悟しておいてほしい。
 
 ここ最近、ヤクルトの主力選手たちは長年のチームカラーに甘え過ぎてしまい、試合で勝つ意欲を失ってしまっただけでなく自己管理能力でさえも欠如していた。だからこれだけのけが人やリタイヤ組が長期に渡って延々と出続けているのだ。
 
 もちろん、ずさんなコンディション管理体制を一向に変えない球団側と所属のトレーナー陣にも責任の一端はあるにせよ、最も批判されるべきは大事な時期にけがを患って一軍から離脱した当人たちにある。
 
 ここはぜひとも宮本ヘッド、そして新任のコーチ陣たちが緩み切った主力たちのネジを巻いて性根全体も叩き直すような「地獄キャンプ」を来年2月の沖縄・浦添で実施することを切に願う。
 
 これまで当コラムではボロボロのヤクルトに“愛のムチ”を振るうべく、散々メッタ斬りにしてきた。しかし、それも目覚めを促したい気持ちが内心にあるからだ。もし球団の方が御一読いただいて何かを感じ、来季のスタッフ編成に対して大幅なメスを入れたのであれば幸いである。
 
 加えて主力選手たちもかつてのOBで元メジャーリーガーの岩村明憲氏のように“何クソ”と思って猛奮起してほしい。そして球団もぜひ石井、河田の両コーチ招へいを実現させ、宮本ヘッドら熱い魂を持つ新スタッフが小川新監督を支える新星ヤクルトとして、来季は台風の目となってもらいたい。