2億6000万円の超高額馬、スーパーフェザーの「パンチ」は効くか?
厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第20回:スーパーフェザー
サラブレッドの世界は、世間一般では考えられないような大金が動くことで知られる。セリ市などでデビュー前の若駒を取引する際には、億を超えることも頻繁にある。
そうした光景がよく見られるのが、例年夏に行なわれるセレクトセール。国内最大級の競走馬のセリ市であり、良血馬が多数上場される。そこでは毎年、超高額の落札が相次いでいる。
そして当然ながら、セレクトセールで高値をつけた馬は、大きな注目を集めることになる。今年デビューを間近に控えた2歳馬にも、そんな”高額エリート”がいる。
栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎に所属するスーパーフェザー(牡2歳/父ディープインパクト)である。
2億6000万円という高値で落札されたスーパーフェザー
セレクトセールでは、1歳馬と当歳馬のセクションがあるが、同馬は昨年の1歳馬セクションにおける最高額、2億6000万円(税別)で落札された。
もちろん、ここまでの高額になるには理由がある。母のオーサムフェザーはアメリカで活躍し、11戦10勝という成績を残しているのだ。そのうち、GIの勲章もふたつ獲得。2歳牝馬チャンピオンの称号も手にしている。
まさしくアメリカを代表する名牝の1頭であり、それにリーディングサイヤーを独走する種牡馬ディープインパクトを掛け合わせたのである。その期待値が、2億6000万円という高値につながったわけだ。
注目のスーパーフェザーだが、すでに栗東トレセンに入厩。デビュー戦に予定されている10月28日の2歳新馬(京都・芝1800m)に向けて、入念に調教をこなしているという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。
「スタッフからは、まず何より『乗り味がすごくいい』という声が聞こえてきます。いい意味で俊敏で、『素質を感じさせるフットワークを持っている』とのことです。入厩当初はまだ体に緩さがあったものの、調教を積み重ねるごとに馬体も締まって、ここに来てかなりよくなってきているみたいです」
その乗り味やフットワークから、スタッフも確かな素質を感じ取っているようだ。
さらに、ここまでの調整も極めて順調だという。馬体の成長に合わせて、無理なく調教を進めているそうだ。先述のトラックマンが続ける。
「入厩してしばらくは軽めの調教が続いていましたが、それは手応えの裏返しだったようです。『早い調教をやれば、動くのはわかっている』とスタッフ。すぐに仕上がりそうなタイプということもあって、『あえてピッチを上げず、ゆっくりと調整してきた』とのことです」
デビュー直前となれば、調教の強度は上がるはず。そこで、どれほどの動きを見せるのかも注目である。
はたして、アメリカの名牝から生まれた高額馬は、それに見合う、いやそれ以上の活躍を見せるのか。初陣から目が離せない。