文字入力検索は面倒5割、音声検索は恥ずかしい7割 KDDI調べ

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 近年、話しかけるだけでインターネット検索や、家電の操作ができる音声認識端末(スマートスピーカー)が続々と登場。音声検索は生活に密着したアイテムになりつつあるが、ユーザーは一体どれくらい活用しているのか。KDDIは、全国の15歳〜69歳の男女1,000名を対象に「日本人の音声操作に対する意識調査2017」を実施している。

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 最初の質問、文字入力検索について問うとユーザーの半数近くが「文字入力による情報検索は面倒だ」と回答した。男女別にみると、「面倒だ」と感じているのは男性(43.2%)、女性(47.6%)で女性の方が若干高いようだ。「面倒だ」と感じている女性の割合を年代別にみると、10代(31.3%)、20代(40.9%)、30代(51.8%)、40代(53.0%)、50代(52.4%)、60代(56.0%)と、30代以上の女性ではいずれも半数以上という結果になった。

 面倒な文字入力に代わり、ユーザーは音声検索を多用しているのか?そんなことはないようだ。実は外出先・人前での音声検索は恥ずかしいと思っている人は約7割いた。男女別にみると、「恥ずかしい」と感じるのは、男性(67.6%)、女性(74.6%)と、これまた女性の方が少し高い。性年代別にみると、「恥ずかしい」と感じる割合が最も高かったのは、30代女性(81.9%)が唯一8割を超えた一方で、「恥ずかしい」と感じない割合が最も高くなったのは、50代男性(39.3%)だった。

 では、人前でのハンズフリー通話はどうか?調査によると、これまた恥ずかしいと思う人は約7割いた。「人前でのハンズフリー通話は、周りの人からは独り言を言っているようにも見えてしまうから」という理由が最も多かった。一方、「そう思わない」と回答した人も約3割いた。人前での音声検索よりもハンズフリーの方が恥ずかしいと感じない人が若干多いことが分かった。

 音声操作をする人の利用場所を聞くと、自宅(30.4%)と外出先(22.1%)では自宅が上回った。年代別にみると、「自宅」で音声操作をすることがある人は、50代までは年代が上がるにつれ低くなり、10代(40.4%)、20代(38.6%)、30代(36.1%)と30代までは徐々に低くなったが、40代で大きく落ち込み、40代(24.7%)、50代(18.5%)と50代では2割を下回った。

 自宅での音声操作の内容をみると、第1位「インターネット検索」(14.2%)、第2位「地図の検索」(10.7%)、第3位「天気予報の確認」(9.8%)だった。また、「SNSの投稿」(3.1%)や「AI(音声アシスタント)との暇つぶしの会話」(2.9%)、「家電や住宅設備の操作(照明のon/offなど)」(1.9%)との回答もあった。

 人の目を気にしてしまうのが日本人の気質である。人前で音声検索をすることに躊躇してしまう人は実に多いようだ。だが、一人だけの空間や自宅であれば、音声検索機能を利用したいという人のニーズは高い。アメリカではAI搭載のスマートスピーカーの普及が進んでおり、一家に一台という時代を迎えつつある。今後は、グーグル、アマゾンなど大手IT企業がこの分野へ続々と参入し、驚きの機能を搭載したアイテムを日本でも発売予定だ。日本でもアメリカ同様に、スマートスピーカーブームが高確率で巻き起こるかもしれない。