【ワシントン=池田晋】国連本部で開催中の第72回国連総会で、軍縮・国際安全保障問題を扱う第1委員会は2日から、一般討論を開始しました。人類史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が採択されてから初めての第1委員会です。各国政府代表は、北朝鮮問題が緊迫するなか、9月20日に署名が始まった同条約を力に、核保有国に対して具体的な軍縮措置を求めました。

 国連の中満泉(なかみつ・いずみ)軍縮担当上級代表(事務次長)は、グテレス事務総長が北朝鮮をめぐる「核危機」を世界の課題の筆頭にあげたことに触れ、冷戦後に長年の軍縮要求を達成できずにいることが「前例ない危険をもたらしている」と指摘。禁止条約は「歴史的達成」であり、「各国は取り組みを倍加し、具体的な措置を取る責任を負わなければならない」と求めました。

 非同盟諸国を代表して発言したインドネシアは、保有国の主張する段階的アプローチは「核廃絶に向け、具体的・体系的に進展していない」と批判。禁止条約の早期発効に期待を表明し、「新たな包括的アプローチを取る時機だ」と述べました。

 東南アジア諸国連合(ASEAN)を代表したタイは、北朝鮮情勢に「重大な懸念」を表明し、平和的な方法で解決される必要があると主張しました。禁止条約について「核軍縮と既存の不拡散体制を補完する不可欠の一歩」と評価しました。

 アフリカ諸国を代表したナイジェリアは、「禁止条約を含め、核兵器の廃絶・違法化を目的としたすべての取り組みを強く支持する」と表明。核保有国に、核近代化の停止や、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期批准を求めました。

 新アジェンダ連合(NAC)を代表したメキシコは、禁止条約は核不拡散条約(NPT)の基礎の上に採択されたものであり、核保有国が無限定の核保有を見込むなら「NPT体制の目的に逆行する」と指摘。国際社会は明確な基準と工程に支えられた、核軍縮の具体的措置を取るべきだと訴えました。

 カリブ共同体(カリコム)を代表したトリニダード・トバゴは、禁止条約の署名開始を歓迎。同共同体加盟のガイアナ以外にも批准が今後見込まれるとし、「早期発効を楽しみにしている」と述べました。

 禁止条約に必ずしも賛成していない諸国からも、最大の核保有国である米ロに対し、新戦略兵器削減条約などの枠組みを超えて「さらなる削減のための迅速な対話開始を強く促す」(ノルウェー)との声が出されました。