マーリンズ・イチロー【写真:Getty Images】

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43歳の今も周囲の驚嘆誘うプレー、イチローの強さの秘訣を元同僚に聞く

 マーリンズイチロー外野手はメジャー17年目のシーズンを終えた。今季はスタントン、イエリッチ、オズナといったレギュラー外野手トリオに大きな故障がなく、好調を維持していたため、4番目の外野手の役割を担ったベテランの出場機会は激減。試合数は昨季から7試合減の136試合ながら、打席数は「365」から自身渡米後最少の「215」と大きく減り、打率.255、3本塁打、20打点、1盗塁という成績に終わった。

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 それでも今季は代打で両リーグトップ、歴代2位の27安打をマーク。球宴前の打率.220から巻き返し、7月、8月は打率3割超えも記録した。43歳とは思えない華麗な打撃や衰えない技術、走力などには現地でもたびたび驚嘆の声が上がるほどだった。そんな背番号51は50歳まで現役続行を見据えており、マーリンズが1年間のオプションを保有している来季以降の去就に注目が集まっている。

 今月22日で44歳を迎えるイチローの強さの秘訣はどこにあるのか。昨季までチームメートとしてプレーしたベテラン捕手が証言してくれた。

 ダイヤモンドバックスのジェフ・マシスは昨季まで2シーズン、マーリンズイチローとともにプレー。今季からダイヤモンドバックスと契約し、今季は正捕手クリス・アイアネッタのバックアッパーとして60試合に出場した。チームはナ・リーグ西地区で圧倒的な強さを誇ったドジャースに及ばず、2位に終わったが、93勝69敗の勝率.574でワイルドカード争いを制してプレーオフに進出。4日(日本時間5日)に本拠地チェイス・フィールドでワイルドカード2位のロッキーズと激突する。

感銘を受けたイチローの取り組み、「間違いなく偉大な野球選手」

「我々はここ1年間いい野球ができている。水曜日にはロッキーズ相手に厳しさで負けないようにしたい。もう準備はできている。今年はスペシャルなことをなし遂げられるかもしれない。間違いなくこのチャンスを楽しみにしている」

 マシスはそう強い意気込みを見せた。

 そんな34歳には2013年から過ごしたマイアミでの日々で今でも忘れられない記憶があるという。それは背番号51の日々の取り組みだ。

イチローは素晴らしい人間なんだ。一緒に働けて嬉しかった。2年間、彼とプレーできて、あのルーティーンを間近で見ることができた。今では彼と対戦することになってしまったけれど、間違いなく偉大な野球選手。殿堂入りがふさわしい選手だよ」

 マシスはクラブハウスでストレッチとトレーニングを絶え間なく続けるイチローのストイックな姿に刺激を受けていたという。イチローが改めて50歳まで現役続行の意思を示したことも知っていた。

マシスが感じるイチローの凄さ、「今まで出会った中で一番メンタルが強い人」

「本当に感銘的だ。今、43歳。未だにハイレベルなプレーを見せつけている。プロとして20年以上も結果を出し続けている。僕にとっても見ていてすごく楽しい選手なんだ」

 マシスは驚嘆した様子でそう話した。ただ、イチローがいかに鉄人とはいえ、50歳まで野球界の最高峰で活躍できるのだろうか?

「おそらくね。そこはわからない。彼の身体次第だと思う。彼のメンタルはいつでも準備ができている。彼の凄さはメンタルだと思うんだ。僕が今まで出会った中で一番メンタルが強い人なんだよ。あそこまでのルーティーンや規律を自分に課し続けているんだからね」

 マシスはそう話し、技術や身体能力よりもメンタルの強靭さを強調した。自身、厳しいメジャーの舞台で13年間プレーしてきたが、イチローから感じ取る内面の強さには脱帽といった様子だ。メジャーでも最年長の域に達したイチローが今でも輝き続けることができる秘密はそこにあるのかもしれない。(Full-Count編集部)