羽生結弦【写真:Getty Images】

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オータムクラシックでSP世界新…解説者絶賛「あまりに偉大すぎるパフォーマンス」

 フィギュアスケートのオータムクラシック(カナダ)は22日(日本時間23日)に開幕し、男子ショートプログラム(SP)で今季初戦となった羽生結弦(ANA)が112.72点をマーク。自身が持つ世界歴代最高得点を更新し、SP首位に立った。大会をストリーミング配信しているスケートカナダの解説者は「マスターピース(傑作)」「非の打ちどころがない美しき完璧さ」と称賛している。

 完璧、圧倒――。見た者が言葉を失うほど、王者の強さは際立っていた。

 第2グループの2番目で大きな拍手とともに登場した羽生。スケートカナダの解説者は「ユヅル・ハニュウ。22歳です。トロントで、ブライアン・オーサーとトレーシー・ウィルソンとともに練習しています。オリンピック、そして、世界王者です」と華麗なるキャリアを紹介すると、羽生の演技を静かに見守った。

 ピンと張り詰めた空気の中、始まった王者の舞い。右膝に違和感から4回転ループを回避したが、ショパンの「バラード第1番」の調べに合わせ、完璧な演技を披露。滑り終えると、「どうだ」とばかりに両手を広げながら、深々とお辞儀をした。カナダまで駆けつけた日本のファンが無数の日の丸を送り、リンクは熱狂に包まれた。

言葉失った解説者「なんて言ったらいいのでしょう、この傑作」「ワオ! この一言」

 モントリオールのスポーツプレックス・ピエールフォンドに大歓声が鳴り響く中、2人の女性解説者は圧巻の演技に、しばし言葉を失っていた。

「なんて言ったらいいのでしょう。この傑作」と声を震わせれば、もう一人の解説者も「ワオ! この一言です」と同調していた。今季初戦からいきなり世界記録を更新する寸分の隙もない舞い。2人は最後まで称賛を惜しまなかった。

「非の打ちどころがない美しき完璧さです」

「簡単そうにやってのけていますが、これはあまりに偉大すぎるパフォーマンスです」

 演技後には海外メディアからも称賛されていた羽生。開催国の解説者すら感動させた世界王者は、世界新の勢いに乗ったまま、フリーに突入することになる。