マーリンズ・イチローとスタントン【写真:Getty Images】

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イチローが本塁打競争でスタントンに勝利!?

 ここまで今季両リーグトップの56本塁打を記録しているマーリンズのジャンカルロ・スタントン外野手。シーズン60本塁打に到達すれば、史上6人目の快挙となる。

 メジャー最高級の破壊力を誇るそのスラッガーをチームメイトのイチローが本気にさせたことがあるという。ESPNが伝えた特集の中で、マーリンズのフレディ・ゴンザレス三塁コーチが明かしている。

 マーリンズのドン・マッティングリー監督や選手、スタッフらが今季MVP級の活躍を見せるスタントンについて語る特集の中で、ゴンザレス三塁コーチは試合前の打撃練習で起きた一幕を紹介している。

イチローは1か月半前に彼と同じグループだったんだ。スタントン、イチロー、ミゲル・ロハス、そして、JTリアルミュート。JTがプレーしない時は、AJエリスだった。イチローが同じグループだった時に彼らはゲームをするんだ」

 そう前置きしたゴンザレス氏はイチローやスタントンらが独自ルールで“勝負”する中で、ある日起きた一幕をこう振り返った。

イチローが4球4発で勝利、「スタントンが本気になったのはあれが初めて」

「カウント3-2で満塁という状況にするんだ。ホームランは4点換算。イチローは好調でね。ある日、彼は完璧なラウンドをしたんだ。4球で4本塁打。スタントンは3アウトで、イチローが彼を破ったんだ」

 打撃練習では軽々としたスイングから柵越えを連発するイチローの“隠れた長打力”はメジャーでも知られているが、スタントンとの打撃のゲームでも4球4発の離れ業を見せたというのだ。

「いつもなら彼(スタントン)は打席からセンター方向に打球を直接打ち込むものだけれど、彼が本気になったのはあれが初めて。いつも以上に気合が入っていた。彼がホームランダービーをしようとしているのを見たのは、あの時だけだよ」

 スタントンはイチローの長打力を前にムキになり、いつもスラッガーを見守るゴンザレス氏ですら見たことがないほど真剣になっていたという。

 打撃練習中のゲームとはいえ、メジャーを席巻するスラッガーを本気にさせたイチローの驚異の長打力。毎年のようにオールスターのホームランダービーへの参戦が待望されるのも納得できるようなエピソードといえそうだ。(Full-Count編集部)