業界最大手の野村證券が本社を構える日本橋エリア。超高層ビルを含む再開発計画が動き出した。

日本橋再開発が始動。超高層ビルで株の街が激変へ

完成は2025年。三井色が濃くなる金融の街・日本橋

東京証券取引所の西150メートルほどにある日本橋1丁目(東京都中央区)の再開発計画が動きだした。野村證券本店や有名飲食店などが雑然と並ぶ一帯が超高層ビルを核とした未来都市のようなオフィス街に生まれ変わる。9月3〜4日に開催された住民説明会では、2020年着工、2025年完成の工事計画が示された。事業区域となる3ヘクタールの敷地に51 階建ての超高層ビルなどを建築する。大阪のアベノハルカス、横浜のランドマークタワーに次ぐ287メートルもの高さになるという。

事業主体は三井不動産と野村不動産ホールディングス。準大手として三井不動産や三菱地所の背中を追う野村不動産ホールディングスにとって、おひざ元の日本橋プロジェクトは会社創設以来の飛躍のチャンスとなる。

三井不動産はすでに、日本橋1丁目に程近い日銀周辺の再開発を終えている。今回のプロジェクトが成功すれば、日本橋エリアの"三井色"が一段と濃くなるとともに、収益の大幅な底上げが期待できそうだ。

一方、東証の周囲では、平和不動産を主体に再開発が一足先に本格化。本稿執筆時にはビル解体の重機がうなりを上げ、証券会社が入居していた昭和時代竣工のビルが次々と姿を消している。

東証周辺からはバブル崩壊後、証券会社が1社また1社と去っていった。国際金融市場でも「TOKYO」の地盤沈下が進み、政府も財界も危機感を募らせている。

しかし、幸いにも「金融の街・日本橋」の応援団は多い。東証に見学に訪れる外国人も右肩上がりで増えているという。東京都の国際金融都市構想も心強い味方だ。今後は官民挙げて、金融機関や運用会社に加え、社会人大学院、外国人金融マン向けマンションなどを誘致し、金融の街として整えていくという。当然、関連企業には特需が発生する。

日本橋1丁目に超高層ビルがそびえ立つころ、東証周辺は今の姿をとどめていないかもしれない。ただ、街の風景がどんなに変わっても、マーケットと向き合う投資家の熱い視線は変わらないだろう。

21 日連続の降雨。米不足で要注目の関連銘柄はコレだ!

米不足が懸念されると相場で思惑買いが!

今からほぼ四半世紀も前の1993年、日本は記録的な冷夏に見舞われ、米が大不足となった。そして、タイなどから緊急輸入に踏み切るまでの事態に陥ったのだが、こうした異常気象は忘れたころに訪れるものだ。1993年には匹敵しないにせよ、今年の夏も終盤は長雨に見舞われ、米の不作が危惧されている。「だから、収穫の秋を迎えてから慌てないように、今のうちに米を買いだめしておいたほうが無難……」というのが趣旨ではない。米が主食の日本人にとってその不作は痛手だが、株式投資であればそのピンチをチャンスに変えることができる。実は、米の不作で株価が急騰しうる銘柄が存在するのだ。フェアトレードの田村祐一さんは指摘する。「2009年に不作が心配された場面でも、米の卸売りを営むヤマタネや木徳神糧への思惑買いが活発化しました。米に替わってパンや即席麺の需要が拡大するとの連想から、山崎製パンや日清食品ホールディングスの株価上昇も顕著でした」

一方で、売り圧力が強まりがちなのは米を原料とする食品を手がける企業だという。「玄関開けたら2分でご飯」のサトウ食品工業や、米菓の亀田製菓、岩塚製菓などがその代表例だ。不作が現実となれば、売り候補銘柄として注目するのも一考か?「ただ、特にサトウ食品工業はデリバティブ取引などを活用して原料の安定確保に努めており、 業績は安定的に推移しています。一時的に思惑で売り込まれても、業績面で再評価する動きに転じる可能性も考えられます」(田村さん)

だとすれば、不作を悲観して売られた場面が絶好の買い場ともなりうる。さらに、本業のビジネスでは米と全く無縁でありながら、意外な銘柄にも買いが集中する可能性があるという。 「株主優待で米を進呈している銘柄です。米を優待品としている企業の多くは1単元当たりの株価が高いので、その中でも比較的低位のところが物色されやすいでしょう。特に要注目は、10 万円以下で買えるシステムインテグレータとティアです」(田村さん)

不作が騒がれ始める前にこうした銘柄を仕込んでおけば、品薄となる米を優待でゲットしつつ、株価の値上がり益まで享受できるかも?もちろん、米にあまり執着のない人なら、優待品をネットオークションに出品してさらなる利益を追求するという手も考えられるが……。

1993年を大きな教訓に品種改良をはじめとする対策が打たれており、日本中がパニックに陥るような大不作の可能性はかなり限定的だろう。だが、それでも米の不作が報じられれば、株式市場でも思惑買いや思惑売りが進むことは十分にある。この秋の収穫の行方から目が離せない!