見せてもらおうか。VRの性能とやらを!VR映像「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-」体験レポ

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VR映像体験「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-」が2017年9月19日(火)より都内 新宿ピカデリーにて実施中だ。
今回のVR映像体験は全国35館にて劇場上映される『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』のプロモーションの一環だ。

VR映像体験で、自分がシャア・アズナブルとなり、戦場を駆け巡れるのだ。

『機動戦士ガンダム』は「モビルスーツ」と呼ばれる人型ロボットが登場するアニメ作品。
筆者は初代ガンダム(ファーストガンダム)の世代であり、小学校の頃にはアニメとガンプラ(ガンダムのプラモデル)に大変お世話になった。
ファーストガンダムでのシャア・アズナブルは、ジオン軍のパイロットで、主人公の連邦軍アムロ・レイと闘う、もう一人の主人公だ。
衝撃的なビジュアル、戦闘シーン、決めゼリフから、絶大な人気を持つキャラクターだ。

そんな憧れのシャアになれるということで、居ても立っても居られず、VR映像体験「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-」へ取材を申し込んだ。

ここではVR体験レポートとともに、制作を担当した株式会社サンライズD.I.D.スタジオプロデューサー井上喜一郎氏へのインタビューもあわせてお届けしよう。

シャアと戦場を体験する、圧巻のVR映像
今回、VR映像演出にはサンライズの看板タイトルの一つである『ラブライブ!』の監督を務めた京極尚彦氏を迎え、制作をサンライズ D.I.D.スタジオ、企画・製作をサンライズが手がけた。『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』初のVR映像作品となっている。

VR映像体験「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-」を体験できるのは、都内の映画館「新宿ピカデリー」だ。現場に到着すると、1階のロビーには特設ブースが設置されていた。



壁面には、VRヘッドセットを装着したシャアがコックピットに乗っており、シャア専用ザクIIが大きく描かれている。



よく見ると、VR映像の演出をつとめた京極尚彦氏、ドズル・ザビの声優 三宅健太氏のサインが書かれている。






別の壁面には、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』の原画が展示されている。
VR映像体験前から否が応でも気分が高まる。



特設ブースの中には、VR映像体験できる部屋が4つ用意されている。
その中のひとつに案内された後、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着すれば、準備は完了だ。
装着方法がわからなくても、スタッフがサポートしてくれるので、心配はいらない。

そして、VR映像体験がスタートする。




今回のVR映像作品では、期間中に上映中の『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 激突 ルウム会戦』の1シーン、ルウム戦に向けて出撃準備中のシャア・アズナブルの視点から始まっている。

ネタバレしない程度に、作品の内容を紹介しよう。

パプア級補給艦の内部には、モビルスーツが収納されており、360度全方向を見渡せる。



シャア専用ザクIIのコックピットに搭乗すると、コックピットビューの画面に切り替わる。リアリティーが溢れるスクリーンや計器類、操縦レバーが3Dで確認できる。



コックピットビューのあとは、いよいよメインイベント!
パプアから戦場へと飛び立ち、地球連邦軍の主力艦隊に立ち向かう激しい戦闘の中に突入する。
モビルスーツの宇宙空間での迫力のあるシーンを体験できる内容となっている。

VR映像体験は、時間にして約3分。
まさに「あっ!」という間の出来事だ。
それでも自分がシャアになって戦場を駆け巡る体験を十分に満喫することができた。

■一度はシャアになってみたい、その願いが叶う
体験イベント初日ということもあり、運よく制作を担当した株式会社サンライズD.I.D.スタジオプロデューサー井上喜一郎氏(井上プロデューサー)に直接お話をうかがう機会を得た。

今回のVR映像の経緯だが、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』本編のCGデータを活かしながら、新しい映像展開がしたい、との一心で、先ずはVR映像を作ろうと動き始めたそうだ。

VRの開発自体が初めてだったので、プロジェクトが動き始めた頃は、実際に完成するのかが不安だったという。

そのときのまわりの反応を「VRを作りたいスタッフはいましたが、同じくみな暗中模索で不安そうでした」と、井上プロデューサーは笑いながら語ってくれた。

プロジェクトの進行だが、最初にソフトや機材の環境構築、VRネットワーク作り、演出アイディアなどのミーティングを並行して行い、その後、本格的なVR映像制作に入ったそうだ。




今回のVR体験イベントの一番の手ごたえをうかがってみると、
「実制作がしばらく進んでから自分で体験をしてみて、もう一度体験してみたいと素直に思えたことです」と、井上プロデューサー。

VR酔いをできるだけ回避してVRの世界に集中できるように、見せ方にも気を付けているそうだ。また演出の京極尚彦氏は、いくつかのサプライズポイントを設定しているとのこと。そうしたポイントを見つける楽しさも含まれている。

筆者の素朴な疑問だが、どうして、あのシーンにしたのか、をうかがってみた。
「やはり本編のクライマックス、シャアになるならここしかないと。本編をご覧頂いたあとに、VRを体験すると追体験ができるからです」とのこと。

今後の展開については、
「先ずは、2つ3つと様々なVRを制作していきつつ、ARやMRなど他のリアルタイムコンテンツ制作にも挑戦しようと思います。またBANDAINAMCOグループ内のネットワークやIPとCGを活かした新しいエンターテインメントにも積極的に取り組んでいきます。」と、井上プロデューサー。

最後に読者にひと言頂戴した。
ガンダムファンでしたら一度はシャアになってみたいと思うものです。そんな夢が、ついに叶います! 「見せてもらおうか。VRの性能とやらを!」とつぶやきながらVRゴーグルをかけて、ぜひ体験してみてください』




VR映像「機動戦士ガンダム THE ORIGIN -シャア出撃-」は、9月19日(火)から9月29日(金)までの期間(平日のみ)に開催される。体験には、特設サイトからの予約と、新宿ピカデリーの劇場入場券(当日の日付入り券、または半券)が必要となる。短い期間だが、ガンダムファンであれば、体験しておいて損はないだろう。


ITライフハック 関口哲司