厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第17回:アドマイヤキング

 ウオッカやダイワスカーレットをはじめ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど、近年は牡馬にもひけを取らない”名牝”が次々に登場してきた。こうした”牝馬の時代”が到来する少し前、その先駆けとなる存在で、「女帝」の名をほしいままにした名馬がいる。エアグルーヴである。

 1996年のGIオークス(東京・芝2400m)を勝って同世代の女王となると、翌1997年にはGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制覇。牡馬一線級が集う中、圧倒的な強さを見せつけて時代の頂点に立った。

 華やかな現役生活を過ごしたあと、エアグルーヴは繁殖牝馬としても活躍。GIエリザベス女王杯連覇(2003年、2004年)を果たしたアドマイヤグルーヴや、海外GIを勝ったルーラーシップらを世に送り出した。

 さらに、アドマイヤグルーヴの子で、エアグルーヴの孫となるドゥラメンテが、2015年にクラシック二冠(皐月賞、日本ダービー)を達成。エアグルーヴからなる血筋は、今や日本競馬を代表する血統のひとつとして根付いている。

 その血脈を持った2歳馬がもうすぐデビューを迎える。栗東トレセン(滋賀県)の友道康夫厩舎に所属するアドマイヤキング(牡2歳/父キングカメハメハ)である。



「女帝」エアグルーヴの血を引くアドマイヤキング

 母のアドマイヤテンバは、アドマイヤグルーヴが生んだ娘。つまり、ドゥラメンテの姉となる。その母から生まれたのがアドマイヤキングだ。

 申し分ない血統の同馬は、実戦でもそのイメージどおりの強さを見せるかもしれない。なぜなら、牧場での評価がそれだけ高かったからだ。育成を担当したノーザンファーム早来の木村浩崇氏が、春の取材でこう話していた。

「走らせてみると、とにかくよく動きますね。馬場が悪い日でも、最後まで手応えがよくて、息使いもいいんです。何より、強い調教をしてもへこたれませんし、食欲も落ちません。母の代表産駒になってくれれば、と思いますね」

 そして現在、アドマイヤキングは管理する友道厩舎に入厩。デビュー予定の9月30日の2歳新馬(阪神・芝1800m)に向けて本格的な調教を進めているが、ここでもスタッフたちから漏れてくる評判はすこぶるいいという。関西競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「(アドマイヤキングは)520kg〜530kgの大型馬で、『体がしっかりしていて、走り出すとすごくいいフォームをする』と厩舎スタッフは話しています。『雰囲気がよく、いいモノを持っているのは間違いない』とのことでした。調整も順調で、デビュー戦にはきちんと仕上がりそうですね」

 また、同馬の調教に騎乗した川須栄彦騎手も絶賛しているという。「調教を終えて、開口一番『この馬は動く』と話していましたよ」と、先述のトラックマンが明かす。

「3頭合わせの調教でも、追わずに余裕を持って先着し、『心臓がかなりいいのではないか』と川須ジョッキー。実際、動きはよくて、走ってきそうな感じがします」

 現役ジョッキーが思わず唸るほどの手応え。その感触は疑う必要はないだろう。 牧場スタッフ、厩舎スタッフ、そして騎手と、競走馬を扱う専門家の誰もが高評価を与えるアドマイヤキング。日本の”名血”の持ち主は「やっぱり強かった」という走りを見せるのか、デビュー戦から目が離せない。

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