天狗が炎に包まれながら突き進む迫力ある写真がツイッター上に投稿され、カッコイイと大きな反響を呼んでいる。

北海道古平町(ふるびらちょう)の恵比寿神社で2017年9月10日にあった秋祭りで撮られたもので、投稿者の写真家から提供してもらった4ショットを紹介する――。

北海道古平町内の神社で写真家が撮影してツイート


天狗の火渡り(以下、laufen 克@katuka2さん提供)

天狗が炎と向き合ったかと思うと、次の瞬間に左手を高く掲げる。そして、右手で迫り来る火を払いのけるように押し進む。すると、天上高く火の粉が去って...。

投稿写真は、こんな映画のようなシーンを連想してしまう迫力ぶりだ。

このツイートが12日に投稿されると、14日時点で5万件以上も「いいね」が付いて、写真を見た人から驚きの声が上がっている。

写真の神事「天狗の火渡り」は、北海道古平町内で7月と9月に琴平神社と恵比寿神社でそれぞれ営まれた。北海道新聞の記事によると、天狗の面をかぶった朱色装束の「猿田彦(さるたひこ)」が、境内で燃やしたかんなくずの炎の中を渡り、神輿などを清める儀式だ。



7月にあった天狗の火渡りでは、天狗は、太鼓や笛の音に乗って、3メートル近く舞い上がった炎の中を、一本歯の高げたで火の粉を蹴散らして渡った。古平町民や観光客ら約500人が境内周辺に集まり、天狗が炎の中を3度も渡ると、歓声と拍手が沸き起こっていたという。

「シャッタースピードを速くすると、火が止まった絵に」



ツイッターに写真を投稿したlaufen 克さんは、laufenという音楽プロジェクトに所属してミュージシャンとして活動をしながら、写真撮影や取材も行い、北海道の魅力を伝えている。

そのツイッターやブログの書き込みでは、写真について、「カメラのシャッタースピードを速くすると、火が止まっているような絵になる」と説明した。一瞬の出来事であり、写真の処理もしているので、肉眼ではこのようには見えないが、間近で火渡りを見るとその迫力にとても興奮するそうだ。

laufen 克さんは、会場に入るに遅れてしまって、いい位置で写真が撮れず、自宅でそのデータを見ると、使えないものばかりだったという。しかし、写真を何度もトリミングしているうち、迫力が増したいい感じのショットになったとしている。



なお、古平町の産業課にJタウンネットが聞いたところ、火渡りのときは消防隊員や消防車が待機しており、今回は特にトラブルはなかった。ただ、数年前には、天狗に続いて神輿が火渡りしたところ、担いでいた人が炎で大やけどを負ったことはあるとしている。