この日初めてトロフィーを受け取った

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 カナダで行われていた第41回モントリオール世界映画祭のコンペティション部門で審査員特別賞を受賞した「幼な子われらに生まれ」(公開中)の“凱旋”舞台挨拶が9月11日に東京・テアトル新宿で行われ、三島有紀子監督が出席。「すごくうれしいです。誰も現地入りできなかったので、今日この場で授賞式を開いていただいた気持ち」とこの日、初めて受け取ったトロフィーを、まるでわが子のように愛でていた。

 原作は直木賞作家・重松清氏が1996年に発表した小説。中年サラリーマンの信(浅野忠信)と妻の奈苗(田中麗奈)はバツイチ同士で再婚し、奈苗の連れ子である2人の娘と共に暮らしていたが、奈苗の妊娠を機に、長女が「本当のパパ」に会いたいと言い始める。

 今回の受賞について、三島監督は「想像もしていなかった。青天のへきれき」と振り返る。それでも「ステップファミリーという特別な家族を描きながら、普遍的な家族の話であり、人間同士のコミュニケーションを描いている点を受け取ってもらえたのかなと思う」と分析し、「今回の映画祭で、最も動員が多かったと聞いて、それが1番うれしいですね。(日本も含めて)本当にたくさんの方々に、映画を育てていただいている」と喜びをかみしめていた。

 また、「親愛なる異質な人へ」を意味する英題「DEAR ETRANGER」については、「人生はいろんな異質な人と出会い、いろんな化学反応を生みながら、死んでいくものなので」と思いを熱弁。現在は次回作を準備中だといい、「北海道の開拓村で生きている女性を、力強く描きたいと思います」と意欲を燃やしていた。

 モントリオール世界映画祭は、トロント国際映画祭と並ぶ北米最大規模の映画祭。日本映画とも縁が深く、近年では、14年に「ふしぎな岬の物語」、11年に「わが母の記」が審査員特別賞を受賞している。