厳選! 2歳馬情報局(2017年版)
第16回:トーセンブレイヴ

 秋競馬がスタートし、今後のGI戦線に向けてファンや関係者の熱気も徐々に高まってきた。もちろん、そうしたビッグレースを目指す戦いも楽しみだが、同時に盛り上がりを見せるのが、2歳戦だ。夏競馬が終わって、中央へ舞台を移すと、いよいよ期待の素質馬たちが続々とデビュー戦を迎えるからだ。

 栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属するトーセンブレイヴ(牡2歳/父キングカメハメハ)も、その一頭。


まもなくデビュー戦を迎えるトーセンブレイヴ

 母ギーニョは、GIエリザベス女王杯(京都・芝2200m)を制したトゥザヴィクトリーの妹にあたる良血。トゥザヴィクトリーは繁殖牝馬として、重賞5勝を挙げたトゥザグローリーや、GI皐月賞(中山・芝2000m)とGI有馬記念(中山・芝2500m)で2着と健闘したトゥザワールドなどの活躍馬を送り出している。

 ギーニョの産駒からはまだ大物こそ出ていないが、どの馬もコンスタントに勝ち星を重ねている。また、これまでの兄弟と違ってトーセンブレイヴは父がキングカメハメハ。血統構成は、前出のトゥザヴィクトリー産駒で名を馳せたトゥザグローリーやトゥザワールドとほとんど同じため、同馬への期待は一層膨らんでいる。

 そんな良血馬の成長段階で携わってきたスタッフたちは、同馬についてどのように見ているのだろうか。育成を担当したノーザンファーム早来の伊藤隆行氏は、春の取材でこう話していた。

「いかにもキングカメハメハ産駒という感じで、馬格は申し分ありません。育成の初期から好馬体で、乗り味もいいですね。まだ子どもっぽいところはありますが、気持ちが成長すれば、さらによくなるのではないでしょうか」

 トーセンブレイヴは、すでに池江厩舎に移動し調教を積んでいる。デビュー戦のめども立っており、順調なら9月24日の2歳新馬(阪神・芝2000m)がその舞台になる予定だ。

 では、トレセンに来てからの同馬の評価はどんなものなのか。関西競馬専門誌のトラックマンが、その仔細を伝える。

「スタッフからは『背中がゆったりしていて、乗り心地がいい』という声が聞かれます。ギーニョの産駒はまだ大物が出ていないのですが、他の兄たちと比べて『これほどの(いい)感覚は、兄弟で初めてではないか』と話していますね」

 乗り心地については、それなりの手応えを感じている様子。ただ一方で、スタッフの声を聞くと、初戦からいきなり素質を見せるタイプではないのかもしれない。先述のトラックマンが続ける。

「まだまだ成長途上の段階で、走っているところを見ると『体を持て余している』というのが現状です。『気性が幼く、集中力を欠くところがある』という声も聞かれます。結果を出すには、ここからデビュー戦へ向けてどこまで変わってくるか、その辺りがポイントになりそうですね」

 シビアに見れば、まだ能力をきちんと発揮できる段階には至っていないのかもしれない。とはいえ、あくまでこの時期の2歳馬。これから日ごとに変わってくる可能性もある。 ギーニョの子として、一番の出世が見込まれているトーセンブレイヴ。デビュー戦から勇ましい姿を披露してくれることを期待したい。

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